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『国語』の定期テストは観点別の勉強法で成績を伸ばす

『国語』の定期テストは観点別の勉強法で成績を伸ばす
「一生懸命努力しているのに、定期テストで点が取れない・・・」「テストの点をあげるにはどうしたらいいんだろう・・・」等の悩みは、ほとんどの中学生・親御さんにあることでしょう。テスト対策には、教科ごとの効率的な勉強の仕方があります。そこで、今回のテーマは「国語の点数をあげるためのテスト勉強のコツ」。テストが終わった方も、これからテストを迎える方も、知っておいて損はない点数の上げ方をご紹介します。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

定期テストの問題は4タイプ

通知表の評定(すなわち内申点は)観点別に評価されています。観点とは、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4つで、これらの項目の評価を総合して5段階(または10段階)で評定をつけるのです。

さらに、定期テストの問題も、この4つの観点にそって作られます。国語の場合は、各観点に応じて次のような問題が出題されています。

  • 言語についての知識・理解・技能
    漢字の読み・書きや、言葉、ことわざや慣用句、故事成語などの意味を問う問題。近年は文法から毎回10〜20点分が出題されることも多い。

  • 読む能力
    与えられた文章を読んでその内容について問われる、いわゆる読解問題。「記号で答えなさい」「文章中から〜字以内で書き抜きなさい」という形式が一般的。

  • 書く能力
    読解問題の中でも、「文中の言葉を用いて説明しなさい」という問題。テーマに沿った作文(字数は50字〜200字程度)が出ることもある。

  • 話す・聞く能力
    定期テストで話す能力が問われることはめったにない。聞く能力としては「放送を聞いて、その内容について答えなさい」というリスニング問題。出題されるなら、あらかじめテスト範囲表で予告される。

  • 国語への関心・意欲・態度
    試験範囲内容の作品について感想を述べたり、授業中の討論を踏まえて意見を書いたりする問題。「書く能力」にも関わる場合もある。

テストの問題に「どの観点なのか」を書く先生もおられます。教科書や問題集の章末のまとめ問題に観点が記載されていることもあります。

こうしたタイプ分けを踏まえて問題は作成され、 採点結果が観点別評価に反映されます。たとえテストが80点でも、「書く能力」タイプの問題が0点であれば、この観点はA評価にはなりません。

通知表の観点別評価を見ながら、「どのタイプの問題を重点的に勉強すればよいか」を親子で相談しながら決めていきましょう。

問題タイプ別攻略法

国語の場合は、次のような点を意識してテスト対策の勉強をすることをおすすめします。

  • 「言語についての知識・理解・技能」タイプ
    何よりもまず正確に覚えることです。「覚えるだけだから簡単」と後回しにすると、直前で時間不足で失敗します。早い時期から少しずつ進めるのが一番です。
    ポイント:漢字の読み・書きや語句の意味は、やみくもに暗記するだけでなく、例文や使い方と合わせて勉強すると、頭に残りやすい。
    ポイント:文法は、丸暗記では役に立たないので、ルールを正確に理解する。「解説を読んでもよくわからない」のは、前に学習した基本を理解できていないから。思い切って以前の単元に戻る。

  • 「読む能力」タイプ
    教科書の文章が中心に出題されるので、授業中に読んだことのあるものばかりです。提出物のワークやプリント、市販の教科書準拠の問題集で問題を解き慣れておきましょう。授業ノートを元に、自分で問題を作ってみるのも、高度ですが非常に有効です。
    ポイント:「自分で考える」のではなく、「文章中から答えを探す」という意識で考える。
    ポイント:問いの形式に合わせて解答するよう心がける。「〜なのは何か」と問われたら、名詞や「〜こと」で答える。「〜はなぜか」と問われたら、「〜から」で答える。

  • 「書く能力」タイプ
    表現力も求められますが、まずは日本語の正しいルールに従って書けているかが問われています。
    ポイント:文章読解では、あくまで本文からの抜き出しを元に、字数を調整する。
    ポイント:作文タイプの問題は、内容よりも書き方に注意。「主語と述語がきちんと対応しているか?」「“だ・である調”または“です・ます調”で統一されているか?」「接続詞の使い方は適切か?」といった点をチェックして減点をゼロにする。

  • 「話す・聞く能力」タイプ
    聞く能力を試すリスニング問題は、初めて触れる内容になるので、事前の対策はなかなか難しいと思います。ただ、聞くことも読むことも似ているので、日頃から読書をする習慣があると有利です。
    ポイント:聞いた内容をつぶやきながら情景を思い浮かべるようにすると、内容が頭に残りやすい。
    ポイント:質問文の後にもう1度放送が流れるので、そこで解答に必要なことをメモする。

  • 「国語への関心・意欲・態度」タイプ
    「こう書くのが正解」という明確な基準がないので、書きさえすれば少しは得点できます。しかし、プラスアルファのひと工夫で得点アップを目指しましょう。
    ポイント:「自分はこう思った」と書いた後に理由と具体的を加えると、説得力が増す。
    ポイント:段落の構成を意識すると、読みやすく伝わりやすい内容になる。

テスト勉強の素材は提出物・教科書

教科書はもちろん、学校で配付されるワークや問題集の問題は最高の素材です。
テスト本番でも全く同じ問題が出る」というつもりで、完璧にしておきたいものです。

「時間をかけて勉強しているのに、点があがらない」と悩む中学生は、これができていません。間違えた問題はノートにまとめておいて、テスト直前に集中的に解き直す。このひと工夫で大きく変わります。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)