『英語』の定期テストは観点別の勉強法で成績を伸ばす
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
定期テストの問題は4タイプ
通知表の評定(すなわち内申点は)観点別に評価されています。観点とは、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4つで、これらの項目の評価を総合して5段階(または10段階)で評定をつけるのです。
さらに、定期テストの問題も、この4つの観点にそって作られます。英語の場合は、各観点に応じて次のような問題が出題されています。
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言語や文化についての知識・理解
英単語の意味やつづり、会話表現を問う問題。 -
外国語表現の能力
英作文(与えられた日本語を英語に直すもの)や範囲の文法や構文を用いて自分の意見を表現するもの。 -
外国語理解の能力
英文を読んでその内容についての答える問題。リスニングもここに含まれる。 -
コミュニケーションへの関心・意欲・態度
テスト範囲で学習した内容についての感想を書くなど、おまけ要素が強い。
テストの問題に「どの観点なのか」を書く先生もおられます。教科書や問題集の章末のまとめ問題に観点が記載されていることもあります。
こうしたタイプ分けを踏まえて問題は作成され、 採点結果が観点別評価に反映されます。
たとえテストが80点でも、「知識・理解」タイプの問題が0点であれば、この観点はA評価にはなりません。
通知表の観点別評価を見ながら、「どのタイプの問題を重点的に勉強すればよいか」を親子で相談しながら決めていきましょう。
問題タイプ別攻略法
英語の場合は、次のような点を意識してテスト対策の勉強をすることをおすすめします。
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「言語や文化についての知識・理解」タイプ
覚えたものをそのまま書けばいいので、とにかくしっかり覚えることが重要です。
ポイント:教科書の新出単語は英語→日本語も、日本語→英語も確実に覚えておく。
ポイント:会話表現はあいさつや買い物、道案内や電話の受け答えの定番表現に要注意。 -
「外国語表現の能力」タイプ
このタイプを苦手とする中学生が多いようですが、先立つものは基本的な単語や文法です。反復学習を通じて定着させることが必要です。
ポイント:英作文は日本語の主語と動詞をチェックし、それに英語を当てはめる。
ポイント:自由英作文は、「書きたいものより書けるもの」を。背伸びせずに自分の知っている表現だけを使ってミスなく書くのが最優先。 -
「外国語理解の能力」タイプ
英文読解は,教科書の文章が中心になるはずです。英文の音読や日本語訳を通じて,内容を正確に理解しておきましょう。授業の受け方や日々の家庭学習がものを言います。
ポイント:読解は指示語(thisやthat)の内容を英語・日本語の両方で答えられるようにしておく。
ポイント:リスニングは、質問文の①疑問詞、②主語、③動詞を確実にメモする。 -
「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」タイプ
まったく出題されないこともありますが、得点はしやすいので、出ればものにしたいところです。
ポイント:普段の授業の中でのちょっとしたエピソードや課題がそのまま出る。
ポイント:書けば点をもらえるので、間違いを恐れずに書く。
テスト勉強は提出物・教科書をフル活用せよ
教科書はもちろん、学校で配付されるワークや問題集の問題は最高の素材です。「テスト本番でも全く同じ問題が出る」というつもりで、完璧にしておきたいものです。
「時間をかけて勉強しているのに、点があがらない」と悩む中学生は、これができていません。間違えた問題はノートにまとめておいて、テスト直前に集中的に解き直す。このひと工夫で大きく変わります。
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石井 知哉(いしい ともや)