『理科』の定期テストは観点別の勉強法で成績を伸ばす
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
定期テストの問題は4タイプ
通知表の評定(すなわち内申点は)観点別に評価されています。観点とは、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4つで、これらの項目の評価を総合して5段階(または10段階)で評定をつけるのです。
さらに、定期テストの問題も、この4つの観点にそって作られます。理科の場合は、各観点に応じて次のような問題が出題されています。
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自然事象についての知識・理解
自然界の物事や現象について、基本的な用語や法則を答えさせる問題。テストの中では特に多く出題され、配点が高い。 -
観察・実験の技能
調べたいことに合った観察・実験の方法についての問題。「器具の使い方の注意点を書きなさい」や「実験の正しい手順に並べなさい」という問われ方がされる。 -
科学的な思考・表現
観察や実験の結果を分析して科学的に考えさせる問題。「この実験の結果から、どのようなことがわかるか書きなさい」というように、説明させる場合がほとんど。 -
自然事象への関心・意欲・態度
「意欲的に調べようとしているかどうか」という点が評価対象なので、テストに多くは出ないが、ちょっとしたプラスアルファで出す先生も。たとえば、ニュースで話題になっている自然現象(災害や環境問題)について知っていることを書かせるような問題が考えられる。
テストの問題に「どの観点なのか」を書く先生もおられます。教科書や問題集の章末のまとめ問題に観点が記載されていることもあります。
こうしたタイプ分けを踏まえて問題は作成され、 採点結果が観点別評価に反映されます。
たとえテストが80点でも、「技能」タイプの問題が0点であれば、この観点はA評価にはなりません。
通知表の観点別評価を見ながら、「どのタイプの問題を重点的に勉強すればよいか」を親子で相談しながら決めていきましょう。
問題タイプ別攻略法
理科の場合は、次のような点を意識してテスト対策の勉強をすることをおすすめします。
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「自然事象についての知識・理解」タイプ
「知っているかどうか」がすべてなので、知らなければ当然答えられません。「覚えるだけ」だと油断していると、テストに間に合わなくなります。早めの対策が必要です。
ポイント:用語を丸暗記するのではなく、その意味を説明できるようにしておく。
ポイント:ただ覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を意識すると頭に残りやすい。 -
「観察・実験の技能」タイプ
最近では、実際に授業で実験を行うことが少ないため、イメージをつかみにくいようです。実験や観察の様子をインターネット上の動画で見られるようになりました。そういうサイトを活用するのも手ですね。
ポイント:試験範囲内容の実験や観察は必ず出題されるつもりで確実に頭に入れる。
ポイント:実験器具を使用する際の手順や注意点は正確に書けるようにしておく。 -
「科学的な思考・表現」タイプ
自分の言葉で説明することが求められると、とたんに手が止まるお子さんは多いようです。しかし、教科書をよく読むと「なぜこうなるのか」「どうしてそう考えるのか」は必ず書かれています。こういう部分を活用しましょう。
ポイント:書くべきポイントは決まっている。教科書・問題集の記述を参考に、正確に書く練習をする。
ポイント:設問で問われていることにきちんと答えるように解答の末尾に要注意。
例:「なぜ〜なのか」➡「〜だから」/「実験の目的は何か」➡「〜するため」 -
「自然事象への関心・意欲・態度」タイプ
出題される場合はあらかじめ告げられることが多いので、事前の準備は可能です。ニュースや新聞で“使えそうなネタ”を拾っておく習慣があると有利です。
ポイント:関心や疑問、分かりたいことを明確にしている。
ポイント:授業で扱った事象を日常生活で見られる事象と関連させる。
テスト勉強の素材は提出物・教科書
教科書はもちろん、学校で配付されるワークや問題集の問題は最高の素材です。
「テスト本番でも全く同じ問題が出る」というつもりで、完璧にしておきたいものです。
「時間をかけて勉強しているのに、点があがらない」と悩む中学生は、これができていません。間違えた問題はノートにまとめておいて、テスト直前に集中的に解き直す。このひと工夫で大きく変わります。
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石井 知哉(いしい ともや)