中学技能教科「美術」攻略、「レタリング」のコツ
執筆
中里 太一(なかざと たいち)
レタリング作成の手順
(1)正方形の枠を作る
枠を作ることにより文字を作る範囲を決めます。これにより、文字が縦横に長過ぎになるのを防ぐことができます。
(2)対角線を書き入れる
こうすることにより中心を決めます。文字が右に寄ったり、下はスペースがないのに上は余白があったりするということを防げます。
(3)中心点を通るように縦と横に線を書き入れて、4分割にする
どの位置から書き出せばよいかが分かります。
(4)それぞれのスペースを意識して文字を書く
あとで肉付けしていくための骨を作ります。ここで書いた文字を元に輪郭を作っていきます。あくまで土台なので薄く書きます。ここがお手本通りの位置から始められるかが、高得点をとれるかどうかのポイントのひとつめです。
(5)輪郭線を書く
この線は輪郭を取る線です。この線も最初は薄く書きます。直線部分は定規を使うときれいに書けます。必ず定規を使用しましょう。全体のかたちが決まったら線を濃く縁取りします。
(6)中を塗る
縁取りからはみ出さないように塗りましょう。
レタリング作成の注意点
ここからは明朝体の「永」という字を使用して、減点されるポイントを説明します。
次の画像はお手本です。テストのときも問題にお手本が書いてあることの方が多いと思います。
次の画像は答案例です。減点される部分がわかりますか?
(1)骨が上手く書けていないための減点ポイント
①1画目がお手本より下から書き始めている。
上の余白が2つめの画像の方が多いのがわかると思います。
②4画目が上過ぎる
4画目がお手本より上にあると思います。1つめの画像は四分割した右下のエリアまで「はらい」が入っているのに対して、画像2の方は全てが右上のエリアに収まっています。
(2)肉付けが上手く書けていないための減点ポイント
①2画目のハネがしっかりとはねられていない。
1つめの画像に対して、2つめは下に余白が少しできているのと、払いの部分が小さいのが分かると思います。
②5画目のはらいの線の太さが均一
1つめの画像は下の方に行くほど線が太くなっていきます。それに対し、2つめは線の太さが一定であるのが分かります。
レタリングを上手く書くためのポイント
(1)線を書くというよりは点をつないでいくイメージで書く
レタリングは文字ではなく一つの絵というイメージです。1本の線を書くというよりは、点をつないだ結果ひとつの線になるという感覚です。
(2)大切なのは位置
点の連続でひとつの線にするわけですから、点の位置はとても重要です。たとえば「永」の1画目の一番高い位置にある部分は枠に対してどれくらい離れているか?下の点は十字線に対してどの位置か?ということを最初に書いた枠・対角線・十字線を参考に位置取りをします。
(3)テスト前に練習をしたものを美術の先生に見てもらう
自分ではしっかり書けたと思っても注目するポイントがずれていている可能性があります。練習をしたら学校の先生にアドバイスを求めると、テストの点数だけではなく「関心・意欲・態度」の観点別評価でも、高く評価されるかもしれません。
執筆
中里 太一(なかざと たいち)