『社会』の定期テストは観点別の勉強法で成績を伸ばす
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
定期テストの問題は4タイプ
通知表の評定(すなわち内申点は)観点別に評価されています。観点とは、「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4つで、これらの項目の評価を総合して5段階(または10段階)で評定をつけるのです。
さらに、定期テストの問題も、この4つの観点にそって作られます。社会の場合は、各観点に応じて次のような問題が出題されています。
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社会的事象についての知識・理解
地理、歴史、公民の各分野において習得すべき知識や重要な概念を答えさせる問題。「地名や人名、法律・制度名などが一問一答や穴埋め形式、記号選択式で出題される。 -
資料活用の技能
図やグラフ、地図等の内容を正しく読み取れているかを問う。「資料から読み取れることを書きなさい」という形で出題される。与えられたデータから図表を作成させる問題もある。 -
社会的な思考・判断・表現
与えられたテーマについて、考えたことを書かせる問題。ゼロから考えるのではなく、基礎的知識や基本的理解を活用して表現する。 -
社会的事象への関心・意欲・態度
単に教科書的な内容に留まらず、興味をもって積極的に学ぼうとしているかを試す問題。授業で特に取り上げたテーマや、テスト範囲の内容に関連する事件、最近のニュースで話題になったことなど、記述形式で問われることが多い。
テストの問題に「どの観点なのか」を書く先生もおられます。教科書や問題集の章末のまとめ問題に観点が記載されていることもあります。
こうしたタイプ分けを踏まえて問題は作成され、 採点結果が観点別評価に反映されます。
たとえテストが80点でも、「活用の技能」タイプの問題が0点であれば、この観点はA評価にはなりません。
通知表の観点別評価を見ながら、「どのタイプの問題を重点的に勉強すればよいか」を親子で相談しながら決めていきましょう。
問題タイプ別攻略法
社会の場合は、次のような点を意識してテスト対策の勉強をすることをおすすめします。
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「社会的事象についての知識・理解」タイプ
一般的には最も配点が高いものです。「覚えるだけ」だと甘く見ていると、痛い目を見ます。単純に用語を丸暗記するのではなく、用語の意味や内容を具体的にイメージできるように理解しておきましょう。
ポイント:教科書の太字の用語は、意味を正確に説明できるようにしておく。
ポイント:「何が問われているか」を丁寧にチェックし、それに合わせて答える。 -
「資料活用の技能」タイプ
小学校で学習した棒グラフや折れ線グラフ、円グラフを読めることが大前提です。都道府県や世界の国名などを地図上で正確に覚えておくことも必要です。
ポイント:教科書や授業で扱った図やグラフは必ず「読み取れること」をおさえておく。
ポイント:2つ以上の図表を比較させる問題では、両者の共通点や相違点を意識して書く。「どちらも〜〜〜(共通点)である。しかし、………は〜〜〜であるのに対して、………は〜〜〜である(相違点)」という形がおすすめ。 -
「社会的な思考・判断・表現」タイプ
地理では産業の特色や長所・短所、歴史では事件の結果や文化の特徴、公民では政治・経済問題の背景や原因がそれぞれ主に問われます。
ポイント:自分の書き方で正しいか不安なときは、テスト前に担当の先生に確認する。
ポイント:日本語として正確な記述(主語と述語の対応や漢字等)に注意し、減点ゼロに。 -
「社会的事象への関心・意欲・態度」タイプ
新聞やニュースに普段から目を向け、いわゆる時事問題に対する知識が日頃から身につけておくと、対策の負担が小さくなります。
ポイント:このタイプを好む先生は毎回のテストで出題するので、普段から意識しておく。
ポイント:事前に予告される場合が多いので、対策は比較的しやすく、得点しやすい。
テスト勉強の素材は提出物・教科書
教科書はもちろん、学校で配付されるワークや問題集の問題は最高の素材です。
「テスト本番でも全く同じ問題が出る」というつもりで、完璧にしておきたいものです。
「時間をかけて勉強しているのに、点があがらない」と悩む中学生は、これができていません。間違えた問題はノートにまとめておいて、テスト直前に集中的に解き直す。このひと工夫で大きく変わります。
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石井 知哉(いしい ともや)