高校受験は3本柱の対策で合格を目指す!
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
まずは学年末テストの振り返りから
まずは学年末テストの振り返りをさせましょう。定期テストの結果は内申点、ひいては受験の合格・不合格を大きく左右します。定期テストの点数を伸ばすことは、重要な受験対策です。
ここで「終わったテストの振り返りなんて意味があるの?」とお思いの方。実は大きな意味があるのです。
「PDCAサイクル」という言葉をご存知でしょうか?
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Act(改善)
の4つの頭文字を取ったものです。
元々は、企業における経営管理の手法で、このサイクルを継続することで、業務が円滑に進むというものです。
非常に有名なビジネス用語の一つですが、今では企業の世界を飛び越えて、広く一般に知られるようになりました。「PDCAサイクル」を勉強に取り入れている高校もあるくらいです。
定期テストについて当てはめると、次のようになります。
- Plan(計画)→テスト対策の計画を立てて勉強する
- Do(実行)→テストを受ける
- Check(評価)→テスト結果の振り返りを行う
- Act(改善)→振り返りに基づいて勉強の仕方を見直す
これで1サイクルが終了し、次のテストに向けて新たなサイクルが始まります。
「何がどう悪かったか?」がわからないと、「何をどう改善したらよいか?」がわかりませんよね。
つまり、Check(評価)がなければ、Act(改善)はできません。結果の振り返りを行い、勉強の仕方を見直すことで、次のテストでの向上に結びつくのです。
2年生の終わりまでにこれができるようになっている子は、3年生になってからも成績を伸ばしやすく、内申点が上がるのです。受験生にとって、残る定期テストの回数はそれほど多くありません。内申点が決定する2学期の終わりまで、多くても4回です。
改善の機会を大切にしたいものです。その第一歩を踏み出す良い機会だと思います。
受験の制度は絶対に知っておこう
「受験の制度」とは、「入試のルール」のこと。これを正しく理解することが受験対策の第一歩です。
スポーツだって、ルールを知らなければ、試合に勝つのはほとんど不可能ですよね。それと同じで、「受験のルールを知らずに志望校に合格する」というのは無謀なチャレンジです。「知らなかった」では済まされません。
特に公立高校の場合、内申点が重要視されることもあり、制度が複雑です。都道府県ごとに異なりますから、受験予定の地域の制度はいち早くおさえておくべきです。
教育委員会のホームページで公表されていますが、用語も難しく、中学生が一読しただけ理解するのはかなり困難です。途中で投げ出してしまうこともしばしば。
親御さんが横について一緒に調べる、くらいでちょうど良いと思います。
どうしてもわからないことが出てきたら、中学校の進路指導担当の先生に相談してみましょう。
なお、東京都立高校では、平成28年の入試から一般入試の制度が大きく変わります。
主な変更点は次の4つです。
- 実技4教科の内申点の換算方法が1.3倍から2.0倍に変わる
- 学力検査と調査書点の比重が全校で7:3に統一される
- 全校で5教科の学力検査を行う。
- マークシートが導入される
制度変更をあなどってはいけません。スポーツの世界でも、ルールが改正されると、試合でのプレイの仕方や練習の方法も大きく変わります。受験においても全く同じです。制度が変われば、受験対策も変わるのです。
“的外れな対策”は大きな時間のロスです。時間の使い方がそのまま合否に直結しますから、制度を正しく理解して、効率の良い受験対策を行いましょう。
さっそく始める「受験対策の3本柱」
高校受験の対策とは、つきつめれば3つです。
- 志望校選び
- 内申点アップ
- 実力向上
この“3本柱”をしっかりとすれば、合格は必ず近付きます。
そこで大切なのがバランスです。どれか1つだけに力を入れるのではなく、3つをバランス良く進めていくことが必要です。もちろん、時期によって比重を置き方は変動しますが、この“3本柱”のバランスは常に意識しておいてください。
もし、「あまり意識していなかった」という項目があれば、まずはそこから取り組みましょう。中学3年生の年間のスケジュールも、“3本柱”に沿って組み立てると、効率の良い対策を行えます。
春休みや夏休みの計画を立てるときにも、ぜひ意識して欲しいところです。
受験生に与えられた時間は“平等”です。しかしその使い方の差が、「合格か不合格か」という“不平等”を生み出します。
「1日1日の過ごし方」はすべて「受験結果につながる道」。「今どうしているか?」「ここで何をしているか?」が、1年後のお子さんの姿を決定づけます。だからこそ、始める上で一番良いタイミングは“今すぐ”なのです。
受験生と親御さんへエールを送ります。
執筆
石井 知哉(いしい ともや)