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中学技能教科「技術・家庭科」攻略、動きを伝達する仕組み

中学技能教科「技術・家庭科」攻略、動きを伝達する仕組み
今回は、「動きを伝達する仕組みと特徴」と「歯車やリンク装置、カム装置」について解説をします。試験範囲がこの単元だけとなった学校もある分野です。単元別にポイントを解説します。
中里 太一(なかざと たいち)

執筆

中里 太一(なかざと たいち)

動きの伝達と制御

動きを伝える仕組みは以下のように分けられます。

  1. 離れた部分に動きを伝える
  2. 動きの方向を変える
  3. 力の大きさを変える
  4. 回転運動から直線運動に変える

動きを伝える側(駆動軸、または原動車とも呼ばれる)と動きを伝えられる側(被動軸、または従動車とも呼ばれる)。この2つの間では、歯車の歯数を変えたり、プーリの径を変えたりする(速度伝達比)ことで、回転速度や回転力を変えています。

速度伝達比

(1)基本

速度伝達比の式
  • 駆動軸側の回転速度÷被動側の回転速度=速度伝達比
  • 被動側の歯数(ピッチ円直径)÷駆動軸側の歯数(ピッチ円直径)=速度伝達比
【例題1】

駆動側の歯数が72、被動側の歯数が18の時の速度伝達比を求めなさい。

■ 解説
歯数がわかっているときの速度伝達比の式は「被動側の歯数÷駆動軸側の歯数=速度伝達比」を使えばOKです。被動側の歯数=18、駆動軸側の歯数=72なので、
18÷72=0.25
になります。
速度伝達比は0.25になります。

■ 速度伝達比:0.25

【例題2】

駆動側の歯数が8で回転速度が5100、被動側の歯数が32の時の速度伝達比と被動側の回転速度を求めなさい。

■ 解説
例題1の時と同じように速度伝達比を求めます。「被動側の歯数÷駆動軸側の歯数=速度伝達比」を使えばいいので、被動側の歯数=32、駆動軸側の歯数=8となり、速度伝達比は
32÷8=4
です。

ここで、速度伝達比のもうひとつの式を見てみましょう。「速度伝達比=駆動軸側の回転速度÷被動側の回転速度」です。この問題では
4=5100÷X
となります。あとは、方程式を解けばいいので、
4X=5100
X=1275
答えは、速度伝達比が4.回転速度は1275です。

■ 速度伝達比:4/回転速度:1275

(2)歯車列の場合

いくつかの歯車を順番に並べて、組み合わせて使うことで回転方向,回転速度などを取り出すものです。
ポイントは、注目するべきは駆動軸と最後の被動軸だけです。例題を解いてみましょう。

【例題3】

A・B・Cが左から並んでいます。被動軸Cの回転数を求めなさい。

駆動軸A 駆動軸B 駆動軸C
歯数 20 30 40
回転数 800

■ 解説
歯車列の場合、真ん中は回転を逆にするだけです。この問題の場合はAとCの関係性だけを考えれば解くことができます。
例題1、2と同様に速度伝達比を出します。速度伝達比は歯数が分かっているので、「速度伝達比=被動側の歯数÷駆動軸側の歯数」の公式を使います。速度伝達比=40÷20なので、速度伝達比=2になります。

次に、Cの回転数を出せばいいので、今まで同様に速度伝達比=駆動軸側の回転速度÷被動側の回転速度を使えば出ます。
4=800÷□
となります。よって□の値は200となります。

■ 被動軸Cの回転数:200

回転運動を伝達する仕組み

回転運動を伝達する様々な仕組みについて紹介します。イラスト・種類・用途例について、それぞれ組み合わせを頭に入れてください。

(1)かみ合いで回転運動を伝達する仕組み

平歯車
  • 用途例:プリンタ


かさ歯車
  • 用途例:ハンドドリル


ラックとピニオン
  • 用途例:カメラの三脚


ウォームギア
  • 用途例:ネットの巻取り装置


スプロケットとチェーン
  • 用途例:オートバイのチェーン


歯付きベルトと歯付きプーリ
  • 用途例:自転車


(2)摩擦で回転運動を伝達する仕組み

摩擦車
  • 用途例:自転車の発電機


プーリとベルト
  • 用途例:コンピュータのDVD装置


リンク装置とカム装置

(1)用語解説

① リンク装置

金属の棒など数個をピンでとめて一定の運動を行うようにつくられたものです。リンクの長さやピンの種類を変えることによって、回転運動を搖動運動や往復直線運動などに変えたり、その逆の運動にも変換できたりもします。

② 搖動運動

支点を中心とする範囲の定まった揺れのことです。

③ 往復直線運動

直線を行ったり来たりする運動のことです。

④ カム装置

機械の動く部分にカムと呼ばれる特殊な形をした円盤などを取り付けることで、回転運動を往復直線運動や搖動運動に変える仕組みです。

(2)いろいろな機構の名称と動き方

各機構の名称と動き方はしっかりと覚えましょう。各機構の動きがよく出題されています。

両てこ機構


平行クランク機構


てこクランク機構


往復スライダクランク機構


カム装置


以上、動きの伝達と制御についての解説とポイントでした。なかなか難しく理解しづらい範囲です。イラスト・種類・用途例・動き方について、それぞれ組み合わせを頭に入れてください。

中里 太一(なかざと たいち)

執筆

中里 太一(なかざと たいち)