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都立推薦入試の「集団討論」を勝ち抜く術

都立推薦入試の「集団討論」を勝ち抜く術
東京都立高等学校への一つの道「推薦入試」。非常に人気のため、狭き門として知られています。「集団討論」「作文・小論文」「面接」の3本柱の内、「集団討論」について合格のためには何が必要で、どういった対策が効果的かご紹介します。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

都立推薦入試の集団討論とは

5~6人で1つのグループとなり、与えられたテーマについて結論を導くために話い合いを行います。時間は30分程度設けている学校が多く、中には15分や20分の学校もあります。

テーマについては学校生活に関わるものが多く、合唱会・体育祭・修学旅行などの行事に関わることや校内美化や校則についてなどもあります。また優先席やゴミ問題、温暖化などの社会問題に関するものとなることもあります。高校によっては、人工知能や18歳選挙権などの時事問題が扱われることもあります。

多くの学校が最初に1~2分の時間をとり、自分の考えをまとめる時間をとっていますが、過去の受検者の多くは「時間が足りなかった」と答えています。そのため、短時間で自分の考えをまとめる、という練習も積んでおく必要があるのです。

終了時間は、突然「はい、終了です」と迎えることもあるので、時間管理も大切なスキルになります。さら、集団討論の試験官が面接を担当することもあり、集団討論の感想をを面接時に聞かれることもありますので、しっかりと考えをもって臨むようにしましょう。

高校は受検者を3つのポイントから評価する

集団討論(グループディスカッション)は、受検者が「集団の中でどのような振る舞いをするか、複数の他人と関わる際にどういう態度であるのか」を見ることを目的としています。

集団討論を通じて高校が見ているのは、特に次の3つのポイントです。

コミュニケーション能力

複数人とのコミュニケーションで見えてくる能力を見られます。この「場の空気を読む能力」は、集団で生活する上で、最も要求される能力の1つです。具体的には、

  • 協調性/社会性
    ⇒仲間と上手にコミュニケーションできるか
  • 積極性/リーダーシップ
    ⇒意見を主張し、議論をひっぱっていけるか
  • 貢献度
    ⇒課題解決に対してどれだけ貢献できるか
  • バランス感覚/傾聴力
    ⇒議論をまとめられるか、他人の意見に耳を傾けられるか
  • といったものが見られます。

協調性、リーダーシップ

集団討論では、面接では評価しにくい受験生の素の姿もチェックされます。協調性やリーダーシップというものは、自己PR等の受験生発信のエピソードでは「推測」しかできません。それが実際に集団に入って討論という形でコミュニケーションを行う際に、実際にどう振る舞えるか、というところが見られます。

思考力、判断力

個人の能力や対人スキルは当然のことですが、与えられたテーマに対する知識や会話の論理性といった、個人の能力も当然チェックされています。また態度や姿勢にも気をつけたいところです。

「話し合うこと」を目標にすべし

受験生は、まず何のための集団討論なのかを理解しておく必要があります。どの高校のテーマも、「~したらよいか?」「~すべきか?」というものがほとんどであり、「~思うか?」というテーマは少ないのがこれまでの傾向です。

集団討論の目標とは、「与えられたテーマについて話し合い、結論を出すこと」です。

「与えられたテーマについて」ですから、各自が好きなことをダラダラ話すのではいけません。また「話し合うこと」ですから、他者の意見に耳を傾けずに自分の意見をひたすら述べるだけでもダメです。「結論を出す」ために行うのですから、各自の意見がたくさん出たとしても、グループとしての統一見解が何1つ出ていないのもNGです。

集団討論においては、目指すべき目標をいくつかの段階に分けて考えることができます。

  1. 最低目標:テーマについて、参加者全員が意見を出した状態
  2. 現実目標:テーマについて、ある程度の結論が出ている状態
  3. 理想目標:テーマについて、全員が納得のいく最終結論が出ている状態
  4. 究極目標:テーマについて、全員の意見が反映された最終結論が出ている状態

2段階目の「現実目標」から先の目標は、「結論が出ている状態」というのが共通しています。これこそが討論の要です。つまり、結論が出ていなければ討論したことにはならないのです。しかし、20~30 分という時間制限のある入試の集団討論ですから、実際には「現実目標」より先の段階までいくのは難しいことです。とはいえ、最悪でも、一部の人間だけが話し続けて終わった、ということは避けなければいけません。

つまり、集団討論で意識しておくべきことは、「集団討論は同じグループの人との協同作業」だということ。他の参加者は敵ではなく仲間。実際、推薦入試に合格した多くの受検者は「グループの人と仲良くなった」という話をよく口にしています。

討論成功のために必要な8つのポイント

成功させるために必要なポイントとして、以下のものが討論メンバー全員で共有できているのが理想です。

  • 討議の5W1Hが明確である
  • メンバーと討議の狙いと討議すべき内容・テーマを共有化している
  • 進行役が明確で、議論が堂々めぐりに陥らないで、きちんと論議が進行している
  • 全員が他人事にせず、議論に主体的に関わり、各々の役割を分担している
  • 少数意見にも耳を傾け、きちんと議論を尽くす
  • 抽象論、一般論に走らず、具体的な事柄について議論が積み重ねられている
  • 合意事項が確認されている
  • 当該討議の場の位置づけが明確で、次へのつながりがきちんと見据えられている

全員が同じ目的を持って話し合いをすれば、自然と討論は良い方向に向かうはずです。

「都立高校 推薦入試 対策講座」開催が決定しました

School Postでは、東京都立高校の推薦入試に向けた対策講座を毎年冬に開催しています。

▼2018年度・講座概要▼

  • 実践対策コース
    【開講日】
    2018年1月7日、14日、20日、21日

    面接、集団討論、作文・小論文の実践指導・練習をたっぷり行います。「実践練習を多くしたい」という方にオススメです。

「都立高校 推薦入試 対策講座」が1冊の本になりました

School Post編集室では、2014年度から毎年実施している「都立高校 推薦入試 対策講座」を1冊の本にまとめました。

その名も『推薦入試対策の教科書』。

「面接」「集団討論」「作文・小論文」の基礎から応用まで、合格のためのノウハウをたっぷりと詰め込んでいます。

  • 面接で何を話せばいい?
  • 集団討論でついていけなかったらどうしよう。
  • どんな質問がされるの?
  • 作文と小論文の違いがわからない。
  • どうやって書いていけばいいのかわからない。
  • 原稿用紙の使い方がわからない。

こんな悩みを持つお子さん、親御さん。まだ諦める必要はありません。本書を読めば、上記のような悩みは解消し、読む前と読んだ後では大きく差がでることでしょう。

今から対策しても間に合わないんじゃないの?
そんなことはありません。まだ間に合います。本書を1回読めば、多くの疑問が解決するはずです。

都立高校の推薦入試で求められているのは「人間力」です。都立高校の推薦入試の対策を通じて学んだ知識や技術は、なにも高校合格のためにだけ使えるものではありません。大学受験でも、就職活動でも、社会に出て働くようになってからも、ずっと活きるものです。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)