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攻略!都立入試マークシート

攻略!都立入試マークシート
平成28年度(2016年度)の東京都立高校の入試制度変更。学力検査でマークシートが導入されることになり、何かと不安を抱えておられるお子さん・親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は何かと気になるマークシート導入について、お答えします。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

マークシート導入はいつから?

2016年2月実施予定の一般入試から全校で導入されます。ですから、2015年4月現在、中学3年生のお子さんが対象ということですね。

もちろん、中学2年以下のお子さんたちも、新制度での受検となります。「まだ先のことだ」なんて油断せずに心の準備を整えておきましょう。

マークシート導入で何が変わる?

記号問題の解答方法が変わります。「ア〜エの記号で答えなさい」という問題ですね。

変更前:ア〜エと書く
変更後:ア〜エのマークシートを塗りつぶす
変わるのはそれだけです。

漢字の読み書きや作文、英作文、社会・理科の記述などは、今まで通りです。数学なんかは実質的にはまったく変わっていません。

教科別の詳細は後ほどご紹介しましょう。

マークシート導入で問題はどう変わる?

この点を気になさる受験生・親御さんが大変多いのではないでしょうか?ご不安はごもっとも。

でも、結論からお伝えすると、問題の出題傾向は変わりません。それは東京都教育委員会も明言しています。そもそも、マークシート導入の目的は「採点ミスの防止」とあります。つまり、採点処理をより正確により速く行うためのマークシートです。ですから、問題を変える必要などないわけです。

問題が過去のパターンと大きく変わるとか、そういったことはないのでご安心を。

教科別に見てみると?

平成27年度(2015年度)には、一部のモデル校ではマークシートで実施しました。問題自体は他の高校と同じ共通問題でしたから、この問題を見ればマークシート導入前後の変化がよくわかります。
教科別にどのくらいの変更があったのかを見てみましょう。

【国語】

<変更ありの問題>
11問(55点分)でした。記号問題の解答形式がマークシート塗りつぶしに変わっただけでした。

<変更なしの問題>
14問(45点分)でした。漢字の読み書きや作文など、自分の手で書く問題は何ら変化ありませんでした。

【数学】

<変更ありの問題>
0問(0点分)でした。マークシートで解答する問題はいっさいなしです。大学入試のセンター試験のような問題を想像したかもしれませんが、従来とまったく変わりませんでした。

<変更なしの問題>
19問(100点分)でした。作図や証明はもちろん、計算問題もすべて書いて解答する形式でした。マークシート導入の影響はまったくありませんでした。

【英語】

<変更ありの問題>
15問(60点分)でした。記号問題の解答形式がマークシート塗りつぶしに変わっただけでした。ストーリー順にア〜エの選択肢を並べ替える問題が、純粋な4択に変わったことで、正答率は上がることでしょう。

<変更なしの問題>
10問(40点分)でした。テーマ英作文をはじめ、英文を書いて解答する問題は従来通りでした。

【社会】

<変更ありの問題>
15問(75点分)でした。記号問題の解答形式がマークシート塗りつぶしに変わっただけでした。ただ、4つの選択肢をすべて並べ替える形をとっていた問題が、純粋な4択形式に変わりました。これにより「当てずっぽう」でも正解する確率が上がったので、その分だけ受検者全体の平均点は上昇することが予想されます。

<変更なしの問題>
5問(25点分)でした。用語を解答する問題、記述で説明する問題はこれまでと同様でした。

【理科】

<変更ありの問題>
19問(76点分)でした。記号問題の解答形式がマークシート塗りつぶしに変わっただけでした。

<変更なしの問題>
6問(24点分)でした。記述で説明する問題や計算問題、化学反応式やグラフを作成する問題は従来通りでした。

お気づきでしょうか?結局、変わったのは「記号問題の解答を手で書くかマークシートを塗りつぶすか」という点だけなのです。

これでバッチリ!マークシート攻略法

ここまでの内容をお読みになって、「なんだ、じゃあ別に本番ぶっつけでも大丈夫なのね」と思われるかもしれません。それはちょっと危険かもしれません。

マークシートに慣れている中学生はほとんどいないと思います。せいぜい、英検の受検経験者くらいでしょう。未経験のまま本番を迎えると、思わぬ失敗につながります。

不慣れな受験生が気をつけないといけないのがマークミスです。

【マークミスのありがちなパターン】

  1. 塗る場所を間違えた!

    ・イを解答するつもりがウをマークしてしまった!
    ・問2に解答したつもりで問3の解答欄にマークしていた!
    →もっとも多く見られるパターンですね。特に受検番号のミスは一発でアウトになるおそれもあります。念入りな見直しが必要ですね。

  2. 塗ったつもりが塗れていなかった!

    ・枠からはみ出していた
    ・埋まっていなかった
    →これらの場合、機械が読み取れていないため、未解答と同じ扱いとなります。つまり、「正解を出せていたのに得点にならない」という一番悔しいパターンです。うまく塗れるようにしておく練習が必要です。

  3. 塗るのに時間がかかって時間内に解答終了できなかった!

    ・なかなかうまく塗れないなあ・・・
    ・しまった、はみ出ちゃった。消して直さないと!
    →「ただ塗りつぶすだけ」のはずなのですが、慣れていないと意外に時間がかかるものです。

以上のようなマークミスを防ぐための簡単で効果抜群のテクニックをご紹介しましょう。

【速く確実に塗りつぶすためのテクニック】

  1. 鉛筆を使う

    →触れる面積が大きい方が、短い時間で塗りつぶせます。先がとがった鉛筆よりはある程度丸まったものの方がおすすめです。
    シャープペンは使用可能ですが、細い芯は圧倒的に不利です。HBの鉛筆を推奨します。

  2. 外側から中心に向かって塗る

    →縦長のマルを塗るわけですが、外枠をなぞるようにしながら渦を描くように中心に向かってください。こうすると、はみ出たり塗り漏れたりすることは防げます。時計回りでも反時計回りでも、実際に試してみて、しっくりくる方にしましょう。

地味なところですが、解答用紙の質感も異なります。マークシート用の解答用紙は、機械での採点処理ができるように、普通の解答用紙に比べて厚くなります。微妙な違いが大きな影響を及ぼすことがあります。ですから、「ぶっつけ本番」は絶対に避けるべきです。都立入試に対応した模擬テストではマークシートを導入しているので、こちらも定期的に受けて慣れておく必要があります。

たかがマークシート、されどマークシート。ほんのちょっとの違いが合格・不合格という大きな差につながるのが入試です。事前に時間をかけて準備を進めておいた受験生が有利になるのは当たり前ですね。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)