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合格を勝ち取るメンタルのつくり方



通知表の内申点で叱る・褒める、その前に。

通知表の内申点で叱る・褒める、その前に。
通知表(通信簿)が返ってくる時期、親子にとっては何かと神経を使いますよね。
特に、受験生であれば、なおさらです。高校受験に直結する内申点がはっきりするわけですから、心穏やかでないのは当然です。そこで今回は「通知表が返って来たらするべきこと」をご紹介します。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

通知表の注目ポイント

まず質問ですが、通知表が返ってきたら、はじめにどの部分を見ますか?多くの親御さんが、評定(5段階評価の数値のこと)を真っ先に見るのではないでしょうか?なんといっても、成績の根幹ですから、それは当然のことです。

では、評定を見た後はどうしていますか?ここで、「評定を見た時点ですぐに話し合い(お説教)に入る」という前に、ちょっとストップ。まだまだ見るべきところはあります。

    通知表を見るときに、必ず見て欲しいのは次の3つです。

  • 所見(学習面や生活面について、担当の先生が書いたコメント)
  • 評定
  • 観点別評価(各教科の成績を、更に項目別に細分化してA〜Cの3段階で評価したもの)

できればこの順で、「広く浅く」から「狭く深く」という順で見るのがよいと思います。

なぜか?

まず、「所見」というのは、担任の先生がお子さんの普段の様子について書いたものです。改善すべきポイントも示してくれますが、高く評価できる面や優れた点を書いてくれることでしょう。したがって、我が子の良い点を見て、心を落ち着かせておくのがベターです。

そこから、「評定」を見た上で、「観点別評価」へと進んでいきます。「観点別評価」の総合的に評価したものが「評定」ですから、「観点別評価」を見ると、「評定の上がり・下がりの原因」がつかみやすくなるでしょう。

親として取るべき態度は?

どんなご家庭でも、我が子の成績が下がって嬉しいはずはありません。お子さんのことを真剣に思えば思うほど、その分だけ感情的になるのも当然と言えば当然です。

とはいえ、成績が下がったのを見て怒るのは避けたいものです。親の怒りが子どもの心に火をつけ、「いつまでもこんなに叱られる自分からそろそろ卒業したい」と奮起することはあり得ます。でも、そんなケースは極めて稀なことです。

親に怒られるから勉強する」というのでは、意味がありません。それは、「親のための勉強」であって、「自分のための勉強」ではないからです。
内発的な動機からの勉強ではありませんから、それで勉強に身が入るとは到底思えません。机に向かっても何か別のことを考えていたり、ただ勉強しているふりをしたりと、まったく身が入りません。それで成果が出るはずがありません。

もう1つ、念入りに注意しておきたいことがあります。それは、「ため息をつかない」ということ。「怒るまい怒るまい」と思っていて、実際に怒らないにしても、ガッカリすれば自然と出てしまうのがため息です。しかし、親のため息は子どもの心を大きく傷つけます。時には怒る以上にダメージを与えます。ため息は厳禁です。

「自分を変えよう!」「次こそは成績を上げよう!」「今日から頑張ろう!」という風にお子さんが思えるようなるのがベストな結末です。そうなるような話し合いを目指したいものです。

成績UPは「目標設定」で決まる!

通知表が返ってきたら、「次に向けてどうするか?」は必ず決めておくべきです。「悪かったら悪かったなりにどう上げるか?」「良かったなら良かったなりに更にどう伸ばすか?」というテーマで話し合ってみてください。

「観点別評価」を見れば、「ここのBがAになれば、評定も4から5に上がるんじゃないの?」という風に見えてきます。そうすれば、目標がはっきりと定まりますね。目標がなければ、なかなか具体的な努力はしにくいものです。

必ずしておきたいのが、通知表のコピーです。スキャンをしてデータで保管しておいても構いません。

新学期になれば、また学校に提出するわけですから、手元には残りません。すると、前回の成績がどうだったかは忘れてしまいます。新学期が始まったしばらく経つと、「あれ?数学は3だっけ?4だっけ?」などということも。

ましてや、各教科の観点別評価となれば、もっと記憶に残らないもの。いつでも前回の通知表の内容がわかるようにしておきましょう。

通知表をもらうのは、終業式(修了式)ですから、その翌日からは長期休み(春休み、夏休み、冬休み)が始まります。ここで完全に気を抜くようでは、内申を上げることなど「夢のまた夢」です。「学校が休み」だからこそ、復習や予習をしたり態度面を改めたりする絶好のチャンスなのです。

長期休みこそは、成績アップ絶好のチャンスです。学校の宿題は「早めに終わらせるのが当たり前」で、そこにどれだけ「プラスアルファできるか」が鍵を握ります。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)