平成27年(2015年)度の都立高校一般入試を紐解くと見えること


執筆
石井 知哉(いしい ともや)
平成27年度の受検状況について
【全日制高校】カッコ内は平成26年度の人数
- 受検者数:44,732人(45,148人)
- 不受検者数:2,643人(2,559人)
受検者数は減少しました。一方、不受検者数は増加しました。
つまり、「出願はしたが学力検査は棄権して受けなかった」という受検者が増えました。
「本命としていた私立高校に合格したためそちらへの入学を決めた」もしくは「併願した私立高校に落ち着くことに決めた」という受験生が多くなったと推察されます。
【受検倍率】カッコ内は平成26年度の倍率
- 全日制合計:1.41倍(1.42倍)
- 普通科男子:1.43倍(1.43倍)
- 普通科女子:1.52倍(1.54倍)
- 単位制普通科:1.49倍(1.42倍)
- コース制:1.59倍(1.48倍)
- 専門学科:1.22倍(1.29倍)
- 総合学科:1.39倍(1.36倍)
単位制普通科とコース制が大きく倍率を上げています。他方、専門学科が低下しています。
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平成27年度の試験問題の総括
平成28年度からのマークシート導入に先駆け、今年度は一部のモデル校で、解答用紙にマークシートが入ることになりました。その影響か、試験の問題にもいくつか変更がありました。
対策や勉強の仕方については、今後も大きく変わることはありません。しかし、平成28年度からは全校でマークシートが導入されます。受検予定の中学生は、早いうちからマークシートに慣れておいて、損はありません。
【国語】
問題の構成・配点は例年と変わりありませんでした。漢字の読み・書きが比較的簡単なものが多く、解きやすかったのではないでしょうか。
【数学】
問題の構成・配点は例年と変わりありませんでした。大問2の式の利用がやや難しいという印象です。
【英語】
問題の構成・配点は例年と変わりありませんでした。大問4・問2の並べ替え問題の解答形式に変更がありました。
従来は4つの記号を1つ1つ並べるものでしたが、今年度はあらかじめ並べ替えの候補が示されており、4択になりました。マークシートの導入を受けてのものと思われます。4択になったため、正解の確率が上がると予想されます。
【社会】
問題の構成・配点は例年と変わりありませんでした。大問2の問1、大問3の問1、大問4の問1および問4において、解答形式が変更されています。
従来は4つの記号を1つ1つ並べるものでしたが、英語同様、今年度はあらかじめ候補が示されています。4択になった分、正解の確率が高まり、受検者平均点は上がると予想されます。
【理科】
問題の構成は例年通りでしたが、配点が大きく変わりました。従来は、大問3以降は1問5点を原則としながら、2点の記号問題や3点の記述問題がいくつか出題されるという形でした。
しかし、今年度は、全問一律4点となり、全25問が出題されることになりました。これは、平成27年度入試で問題となった採点ミスを防止するために、得点計算の簡易化を目指したものと考えられます。
今後の日程
今後のスケジュールは以下の通りです。手続きをしなければ入学できませんから、合格しても決して気を抜けません。
【第1次募集・分割前期募集】
- 3月2日(月):合格発表
- 3月2日(月)・3日(火):入学手続
第2次募集・分割後期募集にチャレンジするのであれば、以下の日程もきちんとおさえておきたいところです。
【第2次募集・分割後期募集】
- 3月3日(火):募集人数の発表
- 3月5日(木):入学願書受付
- 3月6日(金):取り下げ
- 3月9日(月):再提出
- 3月10日(火):学力検査
- 3月16日(月):合格発表
- 3月16日(月)・17日(火):入学手続

執筆
石井 知哉(いしい ともや)