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都立高校一般入試「英語」の過去問から導いた傾向と対策

都立高校一般入試「英語」の過去問から導いた傾向と対策
都立高校一般入試の英語の試験。どう対策すればいいか。まずは今までのデータを基に出題傾向と問題構成について知りましょう。その分析結果から導き出した3つの対策まとめは、あなたの受検にきっと役に立ちます!
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

都立高校一般入試・英語の平均点推移

都立高校一般入試の英語の受検者平均点は、平成20年度以降、次のように推移しています。

  • 平成20年度:50.8点
  • 平成21年度:54.2点
  • 平成22年度:49.9点
  • 平成23年度:58.9点
  • 平成24年度:58.1点
  • 平成25年度:62.3点
  • 平成26年度:53.7点
  • 平成27年度:63.4点
  • 平成28年度:57.4点
  • 平成29年度:57.8点

過去10年間、軒並み50〜60点となっていますが、平成22年度のように50点を下回ることもあれば、平成25、27年度のように60点を超えることもあります。変動が比較的大きく、難易度のバラつきが大きいといえます。

都立高校一般入試・英語の出題構成

都立入試の英語は全部で4つの大問から構成されます。

  • 大問1:リスニング(全20点)
  • 大問2:短文の読解・テーマ英作文(全24点)
  • 大問3:会話文の読解(全28点)
  • 大問4:物語文の読解(全28点)

平成15年度に現在の形になってから15年間、問題と配点の構成は変わっていません。

平成14年度以前は大問5までありましたが、平成15年度から大問5の内容が大問2の問3として出題されるように改編されました。つまり、「どこで出題されているか」が異なるだけで、実質的には変更はしていません。今後も大きく変わることはないと予想されます。

出題傾向の詳細分析と対策方法

ここからは、大問ごとにもう少し詳しく出題の傾向を分析していきましょう。

大問1:リスニング(全20点)

放送で流れる10分前後の英語を聴いて、設問に答える問題です。
自校作成問題で学力検査を実施する高校でも、リスニングは共通問題と同じです。試験開始と同時に、放送が流れ、設問も放送で流れます。
1問4点で計5問が出題されます。
短い対話文を聴いて答えるA問題が3問、長文を聴いて答えるB問題が2問です。
A問題の選択肢は問題用紙に書いてあります。A問題は比較的解きやすいのに対し、B問題は全体の中でも正答率が低く、取りにくくなっています。平成28年までは2問とも英語で書いて答える形式でしたが、平成29年度は2問中1問が記号で解答する4択形式になりました。ただ、この傾向が一時的なものか、今後も継続するものかは、判断が難しいところです。記述形式に対応できる力があれば、4択形式にも対応できますから、B問題は2問とも記述のつもりで対策をしておくのが無難です。
目安の解答時間:10分

大問2:短文の読解・テーマ英作文(全24点)

短めの英文を読んで、設問に答える問題です。
図表やグラフ、イラストが多いのが特徴です。問1~問3①まで各4点で出題されます。
問3②は合計12点のテーマ英作文で、自分の意見や体験などを3文で書く問題です。1文当たり4点の配点と考えられます。苦手とする受験生も多いようですが、部分点もつきます。白紙で出すのはもったいない問題です。
平成28年度までは、書くべき内容を日本語で指示されていましたが、平成29年度からは文章中の空欄に当てはまる形での3文を書く形式となりました。これにより、前後の英文を読み取り、文脈を正しく把握しておくことが必要となりました。難易度は上がったといえます。

目安の解答時間:7分~13分

大問3:会話文の読解(全28点)

複数人の会話文を読んで、設問に答える問題です。4点の問題が全部で7問出題されます。
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1、2問は英語1語で書いて答える問題が出ますが、あとは記号で答える4択問題です。文中の下線部について詳しく説明したものや、発言の意図を表したものを解答します。

目安の解答時間:13分~16分

大問4:物語文の読解(全28点)

長めの物語を読んで、設問に答える問題です。記号で答える4択問題が5問、最後に記述で解答する問題が2問で、合計7問です。すべて1問4点の配点です。
大問3とは異なり、下線が引かれている問題はあまり出題されません。そのため、設問で問われている箇所を本文から探し出すことが必要です。また、ストーリーの進む順に沿って選択肢を並べ替える問題も1問出題されます。総じて時間がかかるので、解答スピードが求められます。

目安の解答時間:17分~21分

こうして見ると、次のような特徴が浮かび上がります。

  • 試験の冒頭に、リスニングが20点分出題される
  • えられたテーマについて自分の意見を3文で書く英作文が12点分出題される。
  • 読解問題が中心で、細かい知識を問う問題はほとんど出題されない。
  • 単語力や速く正確に読み取る読解力が要求される。

まとめると、都立高校の社会の入試の対策のポイントは以下のとおりです。

  1. 確実に点を取るべき問か、難問で後回しにすべき問か判断し、時間配分に気をつける
  2. 和文の英訳は自分の気持ちを英語で伝える訓練が必要
  3. 複数の情報をヒントに、解答を導き出す練習が必要
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)