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合格を勝ち取るメンタルのつくり方



確実に伸ばす!模擬テストの振り返り方法

確実に伸ばす!模擬テストの振り返り方法
模擬テストは自分の実力を知るための有効なツール。しかし受けただけでは、もったいない。模試にはもっと多くの活用法があるのです。その活用法は受けた後に発揮されるものばかり。今まで模試の順位に一喜一憂していたお子さんと親御さんは要注意です。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

偏差値や合否判定に一喜一憂しない

偏差値や合否判定はわかりやすい反面、そこで止まってしまいがちです。これは、多くの受験生や親御さんが特に陥りやすい罠です。

模擬テストの結果が悪かったから志望校を変える」
模試の結果が良かったから、もう安心して勉強しない」
どちらも同じくらいよく聴く声ですが、なんともったいないことでしょう!

あくまで本番は2月~3月なのです。今、この時点でお子さんに合格の判定が出ていても、本番までに周囲の受験生がもっと頑張れば、あっと言う間にひっくり返ります。 逆に、不合格の判定でも、これからの努力で合格することは充分過ぎるほど可能なのです。

E判定(合格可能性20%未満)が出ていたのに受かった!
A判定(合格可能性80%以上)が出ていたのに落ちた・・・。
そんなことが実際にいくらでも起きているのが高校入試です。

模擬テストはいわば“失敗のための場”です。「時間配分を間違えた」「解答欄を勘違いして書いた」「受験番号を書き忘れた」。そんな“失敗”を本番でしたら即アウトです。 ですから、本番同様の緊張する環境で“失敗”をし、そこから大きく学ぶ。 そのための模試だという意識を親子で共有しておくことが必要です。 模試の結果に親御さんが過敏になった結果、お子さんが萎縮したり気を緩めたりして勉強のリズムを崩すことだけは避けなければなりません。

「合格の判定が出なかった・・・」「偏差値が下がっちゃった・・・」そんな風にお子さんが落ち込むことは多いことでしょう。 そんな場合は、「大事なのは、“上がった・下がった”ではなく、“なぜ下がったか・どうすれば上がるか”を考え、次に向けて行動することなんだよ」と声をかけて励ましてあげてください。 親御さん以上にお子さんの方が落ち込んでいることをお忘れなく。

模試は練習試合。点数よりも分析が大事

業者にもよりますが、模試は受けてから2週間前後で結果が返却されます。 結果が帰ってきたら、その日のうちに、振り返りと復習を行うよう、お子さんには伝えておきましょう。

模試はスポーツの練習試合のようなものです。
「勝つか負けるか」よりも課題や改善すべき点を見つけることが目的です。
練習試合で負けても公式戦で勝てばいいわけです。

「ただ良かった・悪かった」というのは振り返りではありません。 「どこがどう良かったか・悪かったか」ということを明確にすることで、はじめて得点を伸ばすことができるのです。 そのためにも、振り返りは肝心です。

近頃の模擬テストはかなり優れたデータ分析をしてくれます。 合格まであと何点必要だったか示してくれるものもありますから、こうしたデータを活用しないのは非常にもったいないことですね。

特に正誤表がついてくる模試は大当たりです。 正誤表とは、どの問題を正解し、どの問題が不正解だったかを○×(○●のこともあります)で示してくれるものです。 その上、全体の受験者や同じ志望校の受験者の正答率も記載してくれることもあります。

これを見て、「自分が不正解なのに、他の人の正答率の高い問題(目安は50%以上)」をすべてチェックしましょう。 こうした問題は、「みんなができているのに、自分はできていない問題」で入試本番で大きく差がつくものですから、放置すれば落ちます。 逆に、「自分が不正解でも、他の人の正答率が低い(目安は20%未満)問題」は一度横に置いても構いません。

このように、客観的なデータに基づいて、「取るべき問題」をピックアップします。 そして、それらの問題の配点を合計した点数が、お子さんの“伸び代”です。 きちんと復習をすれば、その点数分伸びるということです。 これが復習のモチベーションになりますし、次の模擬テストの目標になります。 ここまでが振り返り、ということになります。

「次は満点」になるまで繰り返す

復習の究極目標は、「もしも本番で模試と全く同じ問題が出たら、満点を取れる」という状態にもっていくことです。つまり、「一度模試で触れた問題は完璧に正解できるようにすること」が復習です。

そのための具体的な手順3ステップをご紹介します。

  1. 模試の問題はきちんと保管しろ
    せっかく復習しようと思っても問題を紛失してはどうしようもありません。 受けたその日のうちに、模試保管用のファイルを作って保管することが必須です。 模試を受けたらファイル購入してから帰宅するようにお子さんに伝えておきましょう。
  2. 復習ノートを作れ
    ノートを見開き2ページで使います。左ページには間違えた問題のコピーを貼り付け、右ページに解き方や不足していた知識を書きます。

    模擬テストには必ず問題と正解・解説が配られます。それを読めば「どうして間違えたのか」「どう考えたら正解にたどり着けるのか」を理解できますから、それを右ページに書くのです。

    「自分で自分に説明するつもり」で書いておくと、後で読んだときにわかりやすいノートになります。 教科書や参考書で調べたことや、自分なりに工夫して編み出した覚え方や語呂合わせなども書き込むと最高ですね。

  3. 自力だけで解けるまで繰り返す
    全教科分、自分オリジナルの“復習ノート”を作ったら、あとは何も見ずに反復するのみです。

    本番になったらちゃんとやるよ」というお子さんは大勢います。しかし、「今できないことは本番でもできない」のです。 「模試で間違えた問題は本番でも間違える」という意識を共有して、解き直しを習慣化させましょう。

次回の予定を決めるまでが模擬テスト

復習を行い、できなかった問題を正答できるようにしたら、さっそく次の模試に照準を合わせましょう。

模試は次の成長のためにあるべきものです。「一度受けておしまい」ではないのです。 せっかく反省点・改善点を見出したのに、それを実践しなければ、振り返りと復習の意味がなくなります。

  • 次に受けるテストは@月@日を受ける
  • そこでは、@@@を目標とする

この2つを明確に定めたところで、その模擬テストは終了ということになります。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)