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分析と約束で成績を伸ばす。定期テストの振り返り(復習)方法

分析と約束で成績を伸ばす。定期テストの振り返り(復習)方法
定期テストがようやく終わってほっとひと安心・・・。と思いきや、今度は答案が返ってきて、親子ともども、またまた落ち着かない日々がやってきます。そこで、今回は「定期テストの振り返り」。ありがちな親子のバトルを回避しながら、次のテストの得点を伸ばすためのコツをご紹介します。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

テストの結果は怒っても変わらない

試験が終わってから何を言っても、テストの結果は変わりません。誰がどう考えたって、当たり前のことです。でも、頭ではわかっていても、ついつい感情的になってしまうもの。声を荒げたり口調がキツくなったりするのも、お子さんの将来を大切に思うからこそ。「子どものためを思って」という愛情の表れですし、その親心はよくわかります。

でも、その親心、お子さんに伝わっていますか?

  • 「自分も中学生の頃はテストの点数は悪かった」という親御さん。
    意外と我が子の成績に対して感情的になりがちです。お子さんの気持ちを理解できるかと思いきや、「自分のした苦労を子どもにはさせたくない」という思いから、かえって強い口調になってしまいがち。
  • 「そんなことないです。自分の学生時代は成績が良かった」という親御さん。
    自分が優秀であった分だけ、お子さんの悪い結果に我慢がならないようです。幸か不幸か、親御さんは親御さん、お子さんはお子さんなのです。

親が怒鳴ろうが机を叩こうが定規で引っぱたこうが、子どものやる気は上がりません。統計があるわけではありませんが、経験上、これは断言できます。大切なことは、終わったテストの結果を次回に活かすこと。そのためには上手に振り返りを行う必要があるのです。

テスト返却後にお子さんが答案を持ってきたら、まずは“聴くこと”に全力を注いでください。“話すこと”はそれからです。「うんうん」「なるほど」「そうだったんだね」「たしかに」「その通りだね」等、あいづちを打ちながら、お子さんが”その結果をどう受け止めているか”を引き出してください。「子どもが話している最中についつい口を挟んでしまう」という場合は、口を閉じて舌の先を噛んでおくと、文字通り歯止めがききますよ。

成績を伸ばす「振り返り」は分析である

成績を伸ばしているお子さんは、テスト結果のとらえ方が上手です。反面、テスト結果を見てそのままポイ、という子は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」そのままに、次のテストも似たような結果になります。結果に対して“分析”を行うことで、初めて次回の結果を改善できるのです。

ただ単に「良い点だった」「悪い結果だった」というのはただの“感想”です。
一歩踏み込んで、

  • 「どこが良かったか・何が悪かったか」
  • 「どこをどう勉強したのがうまくいったか・何に気を付けたのが成功だったか」
  • 「何をしておくべきだったか・どう注意しておくべきだったか」

このように細かく掘り下げて考えるのが“分析”です。親子で会話を通じて行うことをおすすめします。

まずは“良かった点”を取り上げましょう。“悪かった点”はそれからです。 何かしら良い面を見つけてほめてあげてください。「よし、やるぞ」という気になれば、悪い面についても克服しようというポジティブな気持ちが起こります。先に悪い面をあれこれ言われても、お子さんは気持ちが縮こまったり心を閉ざしたりして、“聴く耳”を持てません。

「振り返り」は未来の自分との約束で締める

振り返りを行ったら、次回の目標を設定します。でも、ここで要注意。「目標 = 願望」ではありません。“具体的に何をすればいいか”がはっきりしないのでは、目標を達成できませんし、そもそも目標を立てる意味がありません。

「達成するために何をすればいいかわからない」「とにかく頑張る」というように、行動が曖昧だとうまくいきません。 「こんな点を取れたらいいな」なんて軽い気持ちで高い目標点を定めても、本気ではありませんから、クリアできなくても悔しいとも何とも思いません。

目標とは“未来の自分との約束”です。
友達との約束は守ることが大前提ですよね。誰も破るつもりで約束はしません。目標もまったく同じで、達成することが前提です。そのためにも、“具体的に何をすればいいか”とセットで目標を立てる必要があります。

テストで点を取れていないとき、その主な原因は次の3つです。

  1. 【ケアレスミス】テスト前日までは正解できていたのに、本番でうっかりミスをした
  2. 【練習不足】解き方はわかっていたのに、正解できなかった
  3. 【想定外】勉強していなかったところが出た

1~3の順で解決しやすいものです。そこで、この順に沿って、「この原因を解決したらあと何点取れたか」という計算をしてみましょう。“たられば”大いに結構です。「ほんのちょっとの努力であと10点も取れた」ということもよくあります。実際の答案用紙と問題を見ながら、親子で一緒に考えてみるのもおすすめです。

こうして積み上げた点数が、次回の目標です。実際の問題やミスから組み立てたので、“具体的に何をすればいいか”がはっきりします。意欲も湧いてきます。

親御さんの目から見ていると、「こんな低い目標でいいの?」と思うこともあるでしょう。しかし、まずはお子さんが自分で立てた目標であることが大切です。心理学的にも、誰かから与えられた動機(外発的動機)よりも自分の心の内側から出てくる動機(内発的動機)の方が強いと言われています。もちろん、会話の流れの中でお子さんが目標点数を上げるのはありです。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)