もう迷わない!学校は○○で決める!
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
目次
志望校を決める前に「行きたい理由」を書き出してみよう
「どの学校にするか」で迷ったときは、頭の中だけで考えずに、「なぜその高校に行きたいのか?」を紙に書くのがおすすめです。
- 雰囲気が気に入ったから
- 授業に活気があったから
- 部活動が盛んだから
- 進学実績が伸びているから
- 面白い取り組みがたくさんあるから
- 設備が良いから
- 学習環境が整っているから
- 先輩たちがいきいきしていたから
- 制服がおしゃれだから
- カフェテリアの食事が美味しそうだったから
等、良い面に注目して、思いつくだけ全部書き出してみましょう。
はっきりと目に見える形で考えられるので、複数の学校を比較しやすくなります。また、改めてその学校の良い面を実感すると、勉強の意欲も高まることでしょう。お子さんが自分でその学校に通って生活する姿をイメージして、“素敵な未来像”が描けた学校が最終的な志望校です。
「チャレンジなき受験」は入学後の後悔につながる
受験を終えてしばらく経ってから高校生たちと話すと、面白い傾向がわかります。
「受かるか落ちるか」という不安と闘いながら受験勉強を続けた子たちは、入学した学校に対して非常にポジティブな姿勢で、高校生活を楽しんでいます。一方、「楽に行ければいいや」と安全優先で早くに目標を下げて、楽々合格した子たちは、入学した高校の短所や欠点を口にすることが多い印象です。この子たちの違いは、一言にすると「チャンレジしたかどうか」です。
受験・入学後に「後悔している」と言う子のパターンとしては、「あのとき志望校を下げずにもっと頑張ればよかった」というのが多数派です。「あのとき志望校を下げて楽に受かる学校にすればよかった」と後悔する子はめったにいません。“チャレンジしなかった受験生はそのことを後悔しているケースが目立ちます。
当然、そういう心境で高校生活を送ると、後ろ向きになりがちです。特に、周囲が目標を下げるように仕向けた場合は、最悪です。高校で何かイヤなことがあるたびに、「あの時に親や先生が志望校を下げるように言ったから、こんな学校に通うことになったんだ」という心境になってしまいます。
1度目標を下げると 「下げグセ」がつく
受験生にとって「高い目標に合わせて努力しよう」という意識を保つのは難しいものです。そんなときに、「目標を下げれば努力しなくてもいいんだ」という考え方はとても誘惑的。しかし、非常に危険な考え方です。一度志望校を下げると、その決断に抵抗がなくなり、その後も下げ止まらなくなるからです。
「最後の決断は出願1週間前にする」というのも解決策です。特に、公立高校の場合、一般入試は共通問題を使います。学校によって合格に必要な得点が違うだけで、どの高校も同じ問題ですから、対策に大きな違いはありません。ですから、出願の直前まで高い目標に向けて勉強しておく方が絶対に有利なのです。仮に志望校を下げるとしても、その決断の直前までは妥協せずに取り組みましょう。
公立でも自校で作成した問題を使用する高校や私立高校の場合には、もう少し早めに決断する必要があります。
模擬テスト(模試)を目安にする
「合格するかどうか」という判断には、模擬テストも参考になります。模擬テストと本番は違うとはいえ、模試は実力の表れです。スポーツにたとえれば練習試合ですから、“本番のリアルな予測”がはっきりと出ます。
まず、「一度も合格判定が出たことがない」という学校は、実力以上の高望みです。「練習試合で一度も勝ったことのない相手に公式戦で勝て」と言うようなものです。
もちろん、その模試を受けた日から入試当日までの間に、自分の実力は伸びるでしょう。しかし、周囲の受験者も同等かそれ以上に伸びるのです。本番で逆転するのはかなりのミラクル。かなりの覚悟をしておく必要があります。
また、何度か模試を受けていれば、良い時・悪い時の“調子の波”があります。絶好調のときだけ合格判定が出るだけでは、まだまだ不安です。調子が悪いときでも合格判定が出るくらいにはしておきたいものです。
そのためにも、模擬テストは毎回「本番のつもり」で真剣に挑み、完璧に復習する必要があります。受験勉強は「入試で合格するため」にするものですが、「模試で高得点を取るため」の勉強の積み重ねが合格につながることも確かです。
「不安なこと」を書き出してみよう
たとえば、夜中に一人で毎日夜遅くまで勉強に取り組んでいると、マイナス思考になりがちです。「志望校を下げようか・・・」という“悪魔のささやき”が出てくるのはこんなとき。そういうときは「何が不安なのか?」を紙にありったけ書き出してみましょう。
- 国語:作文がうまく書けない
- 数学:計算ミスをしそう
- 英語:リスニングで聞き取れなかったどうしよう
- 社会:歴史の時代順がよくわからなくなる
- 理科:化学反応式の問題をいつも間違える
- 原稿用紙の使い方がわからない。
等、なるべく具体的に細かく、思いつくだけ全部書き出してみましょう。
課題が明確になると、解決策も出てきます。こうして不安を自分で解消していく強さも合格に必要なものですし、受験を通じて得られるものです。
「最大の敵は自分自身」です。しかし、「最大の味方も自分自身」なのです。
「どの高校に行くか」で人生は決まりませんが、どの高校に行くか」で人生は大きく変わります。より幸せな人生のため、高校選びには万全を尽くしたいものです。
執筆
石井 知哉(いしい ともや)