中学技能教科「技術」攻略、「生物育成」でテストに出る知識
執筆
中里 太一(なかざと たいち)
生物を育てる目的
人が生物を育てる目的は主につぎの3つです。具体例も答えられるようにしましょう。
- 食料の生産
・植物を育てて食べる。
人間は植物を食べることで炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・無機質などを得ています。学校によっては摂取できる栄養素も出題されているので高得点を狙うのであれば覚えておきましょう。
・植物を餌とする動物を育てる。 - 燃料・材料の生産
家を建てるための木材 - 生活環境の整備
ガーデニングなど観賞用植物などの栽培
植物を育てる技術
植物を育てる技術とは、「植物を管理する技術+植物が生育する環境を管理する技術」となります。
- 植物を管理する技術=植物自体を管理する技術
【例】
・定植
・適芽
・摘しん - 植物が生育する環境を管理する技術=光、温度、土などの環境条件を調節する技術
【例】
・土を耕す
・肥料を与える
・かん水
・加温
植物の栽培に必要な条件
ここでは、植物に必要な主な条件を項目別に全部で4点紹介します。
(1)光
光についてポイントは2つです。1つ目が光合成。理由と仕組みを覚えましょう。2つ目が日の長さが花芽の形成に関係する植物。これは、名称と具体例を覚えておきましょう。
- 光合成をする理由
植物は光合成をすることで栄養分を合成し、根や茎などを作る。 - 光合成の仕組み
光合成=気孔から二酸化炭素を吸収+根から水を吸収→葉緑体で光エネルギーを利用→炭水化物を合成 - 日の長さが花芽の形成に関係する植物
長日植物:日が長くなると花芽を作る
【具体例】
ホウレンソウ、アブラナ、キンセンカ
短日植物:日が短くなると花芽を作る
【具体例】
キク、コスモス、イネ
中性植物:日の長さと関係なく花芽を作る
【具体例】
タンポポ、トマト、ナス
長日植物は春から夏にかけて、短日植物は夏から秋にかけて咲く花に多いのが特徴です。ただ、中性植物のタンポポやトマトとの比較が難しいので、「長日植物はホウレンソウ・アブラナ・キンセンカ」と覚えた方が早いです。
(2)温度
気温が上がると光合成は盛んになります。注意点は、植物ごとに適温があるということです。高温になり過ぎると、光合成は衰えます。正誤問題が出た場合は注意してください。
(3)土
植物に適した土は、団粒構造という細かい土の粒が集まって小さな塊になっている土です。
団粒構造だと、土と土にすき間ができるため通気性や水はけが良くなります。
塊にならない状態を単粒構造といいます。植物の生育には適さないので、腐葉土など他の土と混ぜて、土の性質を変えて使います。
試験問題に土のイラストがあって、「どちらの土が植物には適しているか。」と出題された場合は粒の大きい、すき間のあるイラストを選んでください。
(4)肥料
肥料で覚えて欲しい項目は「三大要素」「与える時期」「種類」の3つです。項目別に覚えていきましょう。
① 三大要素
- 窒素
茎・葉・根をつくる - リン
成長の盛んな花や新根の発育に必要 - カリウム
光合成を盛んにし、果実や根の成長を助ける
② 与える時期
- 栽培の初め
【名称】元肥
【目的】最初の成長を助ける - 栽培の途中
【名称】追肥
【目的】生育状態に応じて肥料不足にならないように施す
③ 肥料の種類
- 化学肥料
化学的に製造した肥料。水に溶けて早く効く。 - 有機質肥料
動植物の排泄物などを原料とした肥料。ゆっくりと効き、効果は長い。
以上、テストに出題される可能性が高いところを紹介しました。植物の栽培に必要な条件は他にも病気・外注・除草・農薬などがあります。学校の授業で扱っている場合は、教科書やノートを見返してください。
執筆
中里 太一(なかざと たいち)