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合格を勝ち取るメンタルのつくり方



子どもに目標や目的を持たせるための親の行動とは

子どもに目標や目的を持たせるための親の行動とは
子どもに目標や目的を持たせるためには、親の働きかけが必須です。その働きかけとは、子どもの世界観を広げ、人生のビジョンを示すことです。そんなプラスの刺激を継続的に与えられた子どもは、やがて目標を定め、目的意識を持って勉強するようになります。そのための具体的な行動をお伝えします。
中里 太一(なかざと たいち)

執筆

中里 太一(なかざと たいち)

子どもの見聞と世界観を広げる

最近、多くの子どもたちの将来の夢としてYouTuberが上がっています。政治家や弁護士、宇宙飛行士よりも、身近に感じるYouTuberに憧れを持つのは、当然といえます。

子どもが見聞を広めていく中で、YouTuberを選択するのであれば、それもひとつの選択です。しかし、多くの子どもは職業の多様性を知りません。それは、子どもたちが知っている世界がまだ狭いからです。ただし、見聞を広めて、世界観を広げることを子どもだけに任せるのは無理があります。だから、いちばん身近な大人である親が我が子の世界が広がる手伝いをする必要があるのです。

子どもの世界観の扉は親子の会話から

子どもの世界観を広げるには、親子の会話が基本です。これは本当に大事です。「夢は大事だ!自分で探せ!」と言うだけでは、無理があります。もちろん、子どもの人格は先天的な部分もありますが、その後の環境、親の働きかけに影響されて形成される部分の方が圧倒的に多いのです。

まずは親が、自身の哲学を子どもに伝えます。そして、その話を切り口に子どもの世界を広げたり、感性を磨いたりすることを継続的に行っていく必要があります。例えば、日曜日に子どもに与えたゲーム機やスマホで遊ばせておく家庭よりも、親子で工場や博物館見学に行く家庭や、一緒に図書館に行って、そこで親子で本を読む家庭の子どもの方が、将来のビジョンを持っていることが多いです。

できるだけ年齢が低いうちから子どもの世界を広げる手伝いをする

理想はできるだけ幼いうちから、子どもの世界を広げたり、感性を磨いたりする働きかけを行っていくことです。子どもが大きくなるほど、親が子どもに影響力を働かせるのが難しくなります。中学2年生頃になると、第二反抗期も訪れます。子どもは基本的に親と外に出歩かなくなる年齢です。

よくある男子生徒の例を挙げてみます。
中1のときは、学校見学などはまだ早いという判断で、勉強も進路についての検討も本人に任せていた保護者がいました。ところが、中2で反抗期が本格化。母親の言うことは一切聞かないし、家族で日用品を買いに行くことどころか外食に行くことさえ嫌がる。でも、そろそろ進路の話をしないといけない時期です。子どもの希望を聞こうと、話かけるが、「うるさい」「わかってる」の一点張りで話にならないという状態です。この生徒は釣りが趣味で、そのときだけは機嫌がよかったので、父親を子どもとのコミュニケーションの窓口にして、進路の話や将来の夢について話し合う機会を設けました。

対話という窓口は開くことはできたものの、将来の展望は詰める時間がなく、いよいよ受験学年。親子で学校見学に行こうにも、どんな学校に行けばいいのかが決まらず、目標も定まらない。それなのに入試の日は近づいてくる…というような例はいくらでもあります。

もし、すでに子どもが中学生で、反抗期になっていたら、親としての考えを子どもに話したうえで、「一緒に」将来について考え、そのために必要なことを検討してみてください。そして、そのヒントになるための手伝いをしてあげてください。
子どもはテストなどの成績のことを追及されることを嫌いますが、将来の進路や仕事のことには意外と耳を傾けるものです。親子のコミュニケーションの時間を取って、我が子がもっとも輝ける世界探しをしてみてください。

中里 太一(なかざと たいち)

執筆

中里 太一(なかざと たいち)