受験生の5月


執筆
石井 知哉(いしい ともや)
受験生が5月に注意すること
新学期に入って時間が経ち、新たな環境にも慣れてきた頃。受験生も緊張感が失われ、緩んでしまいがちです。また、月頭にはゴールデンウィークもありますから、連休前に浮かれ気分になったり、連休後にブルーな気分になったりと、浮き沈みもあります。
「5月病」という言葉があるように、何かと気持ちの面で揺れ動きやすい時期なのです。「あっと言う間に過ぎ去ってしまった」という1ヶ月。それが5月です。
中間テストはもちろん、運動会や修学旅行が5月に予定されている中学校もあります。周囲の雰囲気に惑わされずに、自分の気持ちを強く持つ必要があります。
4月中に終わらせておくべきこと(まだ完了していないご家庭は、今すぐチェック!)
- 受験の制度を知っておく
- 中学校の年間予定の把握
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受験生が5月にすべき志望校選び
いよいよ各高校で学校見学イベントが続々と始まります。「気が付いたら期日が過ぎていた!」「うっかりして申し込み忘れていた!」なんてことのないようにしないといけません。
気になる高校のホームページにブックマークはついていますか?週に1回は、志望校のホームページをチェックして、学校見学イベントの予定がないか確認しておきましょう。
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受験生が5月にすべき内申点アップ
もちろん、授業態度には引き続き要注意ですが、5月の内申点アップといえば、なんと言っても中間テスト。中旬から下旬にかけて実施されますね。ゴールデンウィークの連休は、提出物を中心にテストの対策をみっちり行うチャンスです。
中間テストがない場合にも、決して油断はしてはいけません。そこでおすすめしたいので、「模擬中間テスト」です。5月の下旬の土日の2日間を「試験日」と定めて、家庭で開催してみてください。4月のはじめから「試験日」の1週間前までに学校で進んだところが試験範囲です。そこに合わせて提出物の範囲も決めます。
市販されている教科書準拠の問題集には、テスト対策用に「予想問題」がついています。これを使って5教科分のテストを2日間に分けてやってみてください。もちろん、時間は普段の学校の中間テストと同じにします(だから土日がよいのです)。
- こうすることのメリットは2つあります。
- その時点までの提出物が前倒しで終わる
- 中間テストがあるつもりで勉強するため、その範囲までの内容の定着度が上がる
こうして、期末テスト前に余裕ができることになりますから、期末で良い結果を出しやすくなるはずです。
受験生が5月にすべき実力向上
中学校の授業の予習・復習や定期テスト対策で忙しくなる時期です。もちろん、中間テストの2週間前からはテスト対策が優先です。それ以前の時期であれば、土日の時間を使って1・2年内容の復習も少しずつ進めておきたいところです。
また、5月には模擬テストも意識しておきましょう。6月に入ると各地で模擬テストが開催されます。塾に通っているお子さんだと、塾内での模擬テストを受けることもあるでしょう。会場で受ける模擬テストには、塾内テストとは違った意味があります。
「どの時期に受けるか?」「どの模試を受けるか?」は話し合っておくとよいと思います。
もし、6月の検定(漢字検定、英語検定、数学検定など)を受けるつもりであれば、その対策は5月から少しずつ始めておけば、無理のない勉強ができます。各検定とも、試験と出願の日程はきちんとおさえておかないと、失敗の元です。主立った検定の日程は以下の通りです。
-
【漢字検定】
検定日:6月中旬/受付期間:3月上旬〜5月中旬 -
【英語検定】
検定日:6月上旬/受付期間:3月上旬〜5月中旬 -
【数学検定】
検定日:7月下旬/受付期間:5月上旬〜6月中旬
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こうして見ると、受験生はとても忙しい生活を送るということがよくわかります。「今さえ良ければそれでいい」というのではなく、「向こう1ヶ月のスケジュールを考えて動く」という姿勢で過ごすことが、合格への最善策です。一歩一歩、確実に歩みを積み重ねていきましょう。
School Postの月イチ連載企画第2回、いかがでしたか?次回は「受験生の6月」をお届けします。お楽しみに。

執筆
石井 知哉(いしい ともや)