効率よく覚えたい!【数学】の成績を上げる究極の記憶術
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
数学だって覚えなきゃ始まらない!
レシピを知っているからといって、美味しい料理を作れるとは限りません。しかし、調理法を知らずにやみくもに切って火にかけても、美味しいものは作れません。
同じように、数学は解法を知っていても、すぐには正解にたどりつけません。しかし、解法を知らないことには何一つ始まらないのです。計算のルールや図形の面積・体積の公式を覚えていなければ、どうにもなりません。
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「できる」の前に「知っている」状態にしよう
次のプロセスで「わかる→できる」への到達を目指しましょう。
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解き方・考え方を頭で理解する
教科書や参考書の例題、問題集の模範解答などをじっくりと読みこみましょう。 -
口で説明できるようにする
「ステップ1:まず○○を求める。ステップ2:次に□□を求める。ステップ3:1と2の答えをたす」というように、テキストやノートに書いておくと後々とても役に立ちます。 -
実際に問題を解いて手で覚える
これが最も大切です。ここを飛ばすと、いざ問題を前にしても“頭が真っ白”となってしまいます。
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単元ごとの攻略ポイント
では、数学は何をどのように記憶していけばいいのか。単元ごとに見ていきましょう。
【計算】
どんな試験でも、数学に計算はつきものです。高校入試では、全体の20%前後は計算問題です。もちろん、応用問題でも計算をしないと答えは出ません。解き方・考え方をわかっていても、計算を間違えれば正解は出ないのです。
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基本計算は頭で考えずに先に反射的に手が動く状態に
例:たし算、ひき算、かけ算、わり算、分数、小数
かけ算九九だって、理屈ではなく暗記ですよね。小学校レベルの計算は大前提です。 -
計算の基本ルールや数の性質
例:正負の数、分配法則、方程式、平方根、乗法公式、因数分解
“どう解くのか”が見た瞬間にピンとくるようにしておく必要があります。 -
とにかく量がものをいう
100マス計算を毎日やるだけでも基礎計算力はグンと伸びます。
【用語】
入試に出ることは極めてレアですが、定期テストにはよく出るので、前日までには完璧にしておきたいものです。
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教科書の太字の用語は全部覚えるつもりで
教科書のまとめページを参考にすると効果的です。 -
自分で問題作ってみるとよい
「AとはBのことである = BのことをAという」という説明がある場合、ここから
・Bのことを何というか/Bのことを○○という
・Aとは何か、説明しなさい
2パターンの問題を作ることができます。
【関数】
「入試で出さない高校はない」というくらいに重要な単元です。苦手とする中学生は多いのですが、ポイントをつかめば一気に得点源になります。
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基本作業はつまるところは暗記
例:式に代入してx・yを求める、関数の式を求める、交点の座標を求める
頭で考えずに自動的に手が動くレベルになるまで反復練習です。 -
図形との絡めた応用問題も、パターンをつかんで
例:面積の求め方、座標を文字で表して方程式を立てる
ただし、基本作業や計算の精度・スピードが低いとアウトです。先立つものは基礎です。
【図形】
センスやひらめきが必要と思われがちですが、高校入試までのレベルであれば、それ以前に大切なことが山ほどあります。
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図形の性質は絶対のルール
例:錯角、同位角、内角、外角、円周角、円・おうぎ形、柱体・錐体の体積、三平方の定理
いちいち「なんだっけ」と思い出すようではまだまだ。ノートに整理して覚えましょう。 -
“基本中の基本”は小学校で学習済み
例:三角形・四角形の内角の和、三角形や四角形、円の面積、立方体・直方体の体積
知識に抜け漏れがあれば、小学校レベルまでさかのぼって復習する事も必要です。 -
“証明”も知識に誤りがあればどんなに書いても0点
例:合同条件、相似条件、二等辺三角形の定理、平行四辺形の定理、中点連結定理
もちろん、きちんと得点するためには読み手にわかりやすい”型”で書く必要があります。
以上、単元ごとの記憶術をご紹介しました。苦手なところだけでも参考に、勉強にお役立てください。
執筆
石井 知哉(いしい ともや)