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駒込中高のイマージョン授業

2014.05.23

留学前の事前授業から始まった駒込中学校・高等学校のイマージョン授業。英語を身体に浸透させていくために、数学や音楽といった他教科をAll Englishで学びます。今では180名程の生徒が受講する人気の講座ですが、生徒の意識を変えることが大きな課題だったそう。具体的な取り組み内容と、課題を乗り越えるまでの道のりを国際部長の久保先生に取材してきました。
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留学前の事前学習で始まり、今では人気の授業に

もともとはオーストラリア、ニュージーランドへの留学プログラムの事前学習として始まったイマージョン授業。 高校1年生の3学期から留学が始まるので、1-2学期で留学先の授業に対応できるようにとスタートしました。

「6年前に始めた当初は(参加者は)20名くらいでした」と久保先生。 先輩や説明会を通じてイマージョン授業を知った留学をしない生徒たちも受けたいという希望が増え、今では約180名の生徒が受講しています。

本講座は、月曜日の7時間目。これは通常の学校生活では部活動や受験用の補講、掃除の時間にあたるそう。 そういった学校活動への影響もあるので、「受講するためには、その動機の作文を書いて提出してもらっています」とのこと。 生徒はそれでも、と参加するのでやる気も充分なのです。

授業の70%は生徒の発言機会にする。そのために工夫を

1クラス20数名が8クラスあり、1クラスにネイティブの講師と日本人の英語教員が1名ずつ付きます。 1学期は習熟度別ではなく、男女比に基づいて編成させたクラスで行われます。

授業風景1
授業風景

担当するネイティブの講師の出身国は、アメリカやイギリス、フィリピン、オーストラリアなど多様です。 駒込学園では、「ワールドイングリッシュ(World Englishes)」を掲げており、多少独自のアクセントのある英語もグローバル化に必要だと考えているためです。 また、1学期毎にクラス替えを行い、生徒は少なくとも3つの国の英語に触れます。

「講座は話す割合を教員が30%、生徒が70%となるように意識しています」と久保先生。

講座は基本的に全クラスで共通の教材を使用しますが、進め方は担当する講師によって様々です。 どの講師も、グループワークを中心としたり、立ち上がったり移動したりと、生徒が話をしやすくなるよう工夫をしています。

【授業見学】数学のイマージョン授業

取材時に行っていたのは数学のイマージョン授業。

授業で使うプリント
授業で使用するプリント

「数学の難問を解く」授業ではなく、「英語で数学を学ぶ」授業です。

例えば、記号や数式の英語での読み方。英語での数学の文章問題。 日本語であれば簡単な問題でも、英語だと容易ではありません。

授業風景2
授業風景2
授業風景3
授業風景3

生徒たちは講師の説明を聞きもらさないようにと真剣に耳を傾けながらも、ペアでの読み合いを指示されると一生懸命に発言し合っていました。

日本語教員が生徒のために心がけている3つのこと

オールイングリッシュだと生徒が「どうしても分からない」という瞬間はあるのでは?と質問したところ、「ありますね。ここの日本人教員の接し方が、難しいところです」との回答。

英会話の授業ではないので、生徒はもちろんのこと日本人教員も絶対に日本語を話さない様にしているそう。 生徒が分からない単語に対しては、別の言い回しをしたりジェスチャーをしたりして伝えます。

ネイティブの講師たちにとっては日常的に使う生活用語も、受験に出てこず通常授業でも習わない単語はよくあるそうで、そういったものは日本人教員たちが手を貸さないと生徒には伝わらないといいます。 また時には、イラストを描いたり写真を見せたりと視覚的な説明も取り入れており、「そうすると(生徒たちも)わかってきますよ。すぐに助け舟を出さないこともポイントですね」と久保先生。

その他にも日本人教員が心がけていることがあります。 それは、なかなか発言できない生徒たちに対しての発言しやすい雰囲気づくり。

そのため、日本人教員は文法が100%合っていなくても積極的に英語を発言するようにしています。 「(教員が)まちがった英語でも、なんとか伝えようとする。その姿勢を生徒たちが見て、『あぁ、間違ってもいいんだ』と見習ってもらえば」とのこと。

英語に対する苦手意識を変えていく。この授業で外国語の進路に興味を持つ生徒も

1学期はまだ恥ずかしいのか、多少の照れが見られるそう。
久保先生は、「もちろん個人差はありますが、それでも2学期になってくると段々と積極的に発言できるようになります」といいます。
「間違ってもいいから、とにかく英語を口から出すことは恥ずかしいことではなく、言語習得にとって非常に大切なことです」とも。 さらにそれにより、英語に対する苦手意識をなくし、英語を楽しんで学べるようになるといいます。

イマージョン授業で外国語に興味を持ち、高校卒業後の進路を決める生徒もいるそうで、久保先生は「きっかけにはなっていると思います」と誇らしげ。

このように生徒への影響が大きく非常に人気なイマージョン授業ですが、まだまだ課題は残されているといいます。 それは例えば、「たくさんの生徒に参加してほしい。しかし、そうなると一人当たりの発言数が減ってしまう」などといったもの。

課題はまだ残されていますが、久保先生は「今後も満足することなく、進化を目指していきたいです」と前を向きます。 これからの駒込学園のイマージョン授業の行く末にも期待しましょう。

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編集後記

英語教育に力を入れる学校は多いのですが、この学校が考えるWorld Englishという感が方は面白いと思います。アメリカやイギリスだけではなくフィリピンやオーストラリアなどの多少クセがある英語にも触れさせることで、タフな英語耳を育成する。これが強いグローバル教育なのかもしれません。

今回取材した学校について

駒込中学校・高等学校

東京都文京区にある中高一貫校で、高校からの募集も行う併設校。伝教大師・最澄の言葉を建学の精神とし、320余年の伝統を守り続けている。「全力を尽くす人間こそ、国や社会の宝である」を教育理念とする。多くの国籍の海外講師が在籍するのも特徴の一つである。

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