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【社会】の大問[3]の解説:都立一般入試の攻略法

【社会】の大問[3]の解説:都立一般入試の攻略法
都立一般入試の社会の問題を大問別で解説していきます。都立の入試にも傾向があります。それゆえに対策もあるのです。社会が苦手だと感じる方はぜひご活用ください。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

都立一般入試の社会、大問3の配点と構成

都立高校一般入試の社会の大問3は日本地理についての出題です。
大問の冒頭で日本全体あるいはある地域の略地図を取り上げて、そこに示された都道府県についての小問が3つ出題されています。
1問5点で合計15点の配点となります。この構成は過去15年以上変わっていません。

平成20年以降は、記号で解答する問題が2問、論述して問題が1問という内訳です。今後も大きく変わらないと予想されます。

主題のねらいは「我が国の国土や地理的特色について、地図や統計等の資料を活用して、自然環境や産業等の面から考察し、適切に表現する能力をみる」とされています。
(東京都教育委員会「東京都立高校入学者選抜学力検査結果に関する調査」より引用)

  • 自然環境と土地利用に関する問題
  • 産業に関する問題
  • 資料から考察して論述する問題

の3つが主な出題タイプです。

以下、それぞれのタイプごとの攻略方法を紹介します。実際に都立高校入試の社会の問題を見ながらご覧頂くと効果的です。

問題・正答は東京都教育委員会のホームページで公開されています。

自然環境と土地利用に関する問題の攻略の方法

主に問1で出題される自然環境と土地利用に関する問題についてみていきます。

【出題の傾向】

<過去の出題内容>
  • 平成21年度
    問1:2つの地形図と地図上の距離を手がかりに、地域の変容について述べた文章と実際の距離を選ぶ
  • 平成22年度
    問1:自然環境や産業などの特色をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの都市とその周辺地域に当てはまるものを1つずつ選ぶ
  • 平成23年度
    問1:人口密度、自然環境と人口分布の様子をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
    問2:2つの地形図と地図上の距離を手がかりに、地域の変容について述べた文章と実際の距離を選ぶ
  • 平成24年度
    問1:自然環境とその自然環境を活用した産業の様子をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
    問2:地形図中の断面と土地利用の様子を模式的に示した図を選ぶ
  • 平成25年度
    問1:自然環境と主な高速道路の様子をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
  • 平成26年度
    問1:自然環境と特産物についてまとめた4つの文章から、略地図中の4つの府県に当てはまるものを1つずつ選ぶ

※この年度は大問6・問1で、2種類の地形図から地域の変容を読み取る問題が出題されている。

<出題パターンの分析>

毎年必出といっていいタイプです。必ず日本地図を用いた形で出題されます。
平成22年以降は、4つの府県または都市に対応する記号がすべて正しくなければ、正答にならない問題となっています。形式上は1つの小問ですが、4つの選択肢をすべて当てはめるように、実質的には4つの小問と考えることもできます。
この形式になってから、“勘が当たる”ということはほとんどなくなり、非常に難しくなりました。平成21、23、24年度には、地形図から情報を読み取る問題や、縮尺計算の問題が出ています。

<求められている能力>

山脈・山地や河川の名称の知識は問われていませんが、
・日本地図上でその地域の自然環境の特色を見抜く知識
・文章中から気候の特色を読み取る能力
・地図記号や等高線の知識を活用して地形図を読み取る能力
が求められています。

<今後の出題予測>

日本地図で示した4つの府県または都市に、該当する4つの選択肢を1つずつ当てはめていくという形式は、今後も続くでしょう。平成25年度は地形図を用いた問題は出題されていませんが、今後も出題される可能性は高いと考えておくべきでしょう。

【攻略の手引き】

略地図とグラフを交互に見ながら、知識を活用する問題です。不慣れなままだと、知識があっても思うように得点できません。

それでは、具体的な攻略法をご紹介します。

  • ポイント1:略地図中の都道府県名を書き込む
    地図中の位置からその地域の特色を瞬時に結びつけることは困難です。特に、選択肢の文章が3行以上と長いため、読み取る作業にエネルギーを要します。ここに集中するためにも、まずは地図中に都道府県名をメモしておきましょう。

  • ポイント2:選択肢の文章から、略地図中の都道府県に当てはまるものを見つける
    選択肢の文章をよく読み、そこから手がかりになる情報を読み取ります。
    ・平野や山地、火山、砂丘、河川や湖沼、海岸線、海峡などの地形の様子
    ・降水量や世界遺産に関する情報
    ・農林水産業や鉱工業の特色
    などが特に大きなヒントになります。

    これらを元に、ポイント1でメモした都道府県に当てはまる選択肢を見つけていきます。まずは解答用紙ではなく、問題用紙の地図中に1つずつ記号を書いていきましょう。

    すぐに判断できない場合は、次の選択肢に移ること。最終的には消去法で解答が埋まることもよくあります。

    4つの選択肢すべてを当てはめたら、あとは解答欄に記入します。何度も言いますが、4つすべて○で5点、1つでも×なら0点です。
    写しミスだけはないよう、焦らず丁寧に慎重に書いてよく見直してください。5秒の見直しが5点か0点かを分けます。

  • ポイント3:地形図から土地利用の様子を読み取る
    地形図の問題が出題された場合は、次の点を注意しましょう。

    ①地図記号を読み取る
    地図記号が何を意味しているのかわからなければ、地形図を読み取れません。教科書に出てくるような地図記号は一通り覚えておく必要があります。

    ②等高線から標高を求める
    地形図中の標高を示す数値を見つけ、主曲線(細い線)をたどります。主曲線1本につき何mの標高差があるのかは、縮尺によって異なります。
    2万5千分の1➡主曲線1本で10m
    5万分の1➡主曲線1本で20m
    縮尺は問題文の中で示されているので、ここも読んだ時点でアンダーラインやマル囲みで目立たせておきましょう。

    ③実際の距離を求める
    地図上の距離×縮尺の分母で求められます。
    例:地図上の距離2cm、縮尺2万5千分の1の場合➡2cm×25,000=50,000 cm=500m
    mやkmの単位計算も要注意です。

【目安の解答時間】

3分〜4分での解答を心がけましょう。
知識ですぐに解答できるものではなく、図表からの情報の読み取りや、場合によっては計算が必要になります。緻密な作業が求められるので、ある程度の時間は見ておくべきです。

産業に関する問題の攻略の方法

主に問2で出題される産業に関する問題についてみていきます。

【出題の傾向】

<過去の出題内容>
  • 平成21年度
    問2:高速道路を示した略地図を手がかりに、高速道路の実延長と農業産出額を示した表のうち、東北地方に当てはまるものを選ぶ
  • 平成22年度
    問1:自然環境や産業などの特色をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの都市とその周辺地域に当てはまるものを1つずつ選ぶ
    問2:製造業の様子について述べた文章を手がかりに、事業所数、従業者数、印刷・同関連業の出荷額を示した表のうち、東京都に当てはまるものを選ぶ
  • 平成23年度
    出題なし
    ※ただし、この年度は大問1・問1で山梨県の農業生産がヒントとなる問題が出題されている。
  • 平成24年度
    問1:自然環境とその自然環境を活用した産業の様子をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
  • 平成25年度
    問1:自然環境と主な高速道路の様子をまとめた4つの文章から、略地図中の4つの県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
    問2:港湾取り扱い貨物量と国際定期コンテナ航路便数を示した表、港湾の様子について述べた文章を手がかりに、略地図中のうち、苫小牧港に当てはまるものを選ぶ
  • 平成26年度
    問1:自然環境と特産物についてまとめた4つの文章から、略地図中の4つの府県に当てはまるものを1つずつ選ぶ
    問2:関東地方の製造品の出荷額に占める割合と上位3位の品目を示した表、製造業の様子について述べた文章を手がかりに、略地図中のうち、栃木県に当てはまるものを選ぶ
<出題パターンの分析>

毎年のように出題されています。地図はもちろん、表やグラフ、文章など、複数の資料を同時に読みながら情報を処理することによって正解を導きます。都立入試の社会に特有なタイプの問題です。記号で解答する形です。

<求められている能力>

学校の定期テストではめったに見られないタイプの問題です。ふだん社会が得意でも、この出題形式に慣れていないと戸惑うことは間違いありません。
・略地図中に示された位置から国や都市、地域の名称を導き出す力
・都道府県の産業の特色についての知識
・複数の資料から情報を読み取り、処理する力
・表やグラフから特徴的な項目や数値の変化を読み取る力
・割合を計算する能力
が求められています。

<今後の出題予測>

大問3における必出パターンです。今後も毎年出題されると考えて、対策を行う必要があります。

【攻略の手引き】

知識がってもうまく活用できなければ得点できません。過去問を素材にこのタイプの問題を数多く解いて慣れておきましょう。試験当日も、冷静かつ慎重に問題をよく読み考える必要があります。

それでは、具体的な攻略法をご紹介します。

  • ポイント1:設問文のラスト1文を読み、“問われていること”を正確に把握する
    設問文が5、6行と非常に長いのが特徴です。読んでも「何が聞かれているの?」と混乱してしまうような構造になっています。

    そこで、まず最後の1文を読むことから始めましょう。例外なく、“問われていること”は最後の1文に書かれています。解答する上での条件(記号はア〜エなのか①〜④なのかAからDなのか、など)も同様です。見落としのないように丁寧に読み、アンダーラインを引いたりマルで囲んだりして、目立たせましょう。

  • ポイント2:略地図に都道府県名を書き込む
    地図上で示された都道府県の名前がわかることが前提です。また、位置情報自体が大きなヒントになることもあります。ですから、国名地図の中に書き込むという“下準備”は必須です。

    なお、都市名で出題された場合も、都道府県の特徴がわかれば解答できるので、都道府県名を記入しておけば充分です。

  • ポイント3:ヒントとなる文章は念入りに読み取る
    「〜の文章で述べている県に当てはまるのは、〜のうちのどれか」という出題の場合は、真っ先に示された文章を読み進めます。そうでない場合でも、文章があればこれは大きな手がかりです。この中からいかにヒントをつかむかがすべて、と言っても過言ではありません。

    例1)平成26年度の問2
    文章:「1970年代以降・・・関東地方の製造分出荷額に占める割合を高めて」
    ヒント:1970年代から割合が上がり続けている

    例2)平成26年度の問3
    文章:「大手自動車会社の組み立て工場や、先端技術を用いた工業製品の製造工場が立地」
    ヒント:輸送用機械の出荷が多い
    ヒント:情報通信機械や電気機械の出荷が多い

    というように、文章中からヒントになりそうなところを拾い出していきます。いかに“ピンとくる”かが鍵を握りますから、読むのが苦手なら2回3回と読む必要があります。

  • ポイント4:産業についての表を1つずつ検討していくむ
    ポイント3まででつかんだヒントから、表中の情報を見比べて、該当するものを探っていきます。
    出荷額の総額や変化、製造品の構成が表から読み取れます。
    「1970年代から割合が上がり続けているかどうか?」
    「輸送用機械の出荷が多いかどうか?」
    「情報通信機械や電気機械の出荷が多いかどうか?」
    と問いかけながら、○×をつけていきます。

    このときに、各都道府県の農業生産品や工業製造物の知識があると、一気に正解に近付けます。特に工業については、工業地帯・地域と主な製造物の知識が役立ちます。

    以上のように順に検討しながら、該当しないものは選択肢に×をつけて消去していきます。

  • ポイント5:問われていることに対応するように選択する
    表や略地図中から選ぶ場合もあれば、別の箇所から選ぶ場合もあります。多くの中学生が模試で「わかっていたのにうっかり違う記号を書いてしまった」というミスをした経験があるはずです。

    ポイント4できちんと消去法を用いておくと、そうしたミスは防げます。また、解答欄に記入する前に、ポイント1でチェックしておいた、解答の条件に合った解答ができているかも最後に確認することも必要です。

【目安の解答時間】

2分〜3分での解答を心がけましょう。
知識の量よりも知識の活用法がものをいいます。与えられた資料から解答に必要な情報を汲み取り、頭を回転させて情報を処理します。問題を読んですぐに解答できる、ということはまずありません。時間をかけてでも、丁寧に取り組む必要があります。知識に自信がなくても資料から正解にたどりつくこともできます。
消去法を使うことで、正解確率は上がるのですから、根気よく挑みましょう。

資料から考察して論述する問題の攻略の方法

主に問3で出題される資料から考察して論述する問題についてみていきます。

【出題の傾向】

<過去の出題内容>
  • 平成21年度
    問3:1972年から2002年にかけて商店街に起こった変化について、Ⅰ〜Ⅲの資料を活用し、個人が経営する小売店と50㎡未満の小売店数に着目して、簡単に述べる
  • 平成22年度
    問3:今後、我が国の造船業において、技術レベルが一気に低下し、国際競争力が弱まる可能性が懸念されている理由について、Ⅰ〜Ⅲの資料を活用し、簡単に述べる
  • 平成23年度
    問3:1985年と2008年を比較し、商業地区の面積と事務所総床面積に着目して、それぞれの面積はどのように増加したか、また、その結果、商業地区の景観がそのように変化したか、2区に共通して言えることをそれぞれ簡単に述べる
  • 平成24年度
    問3:ⅠとⅡの資料から読み取れる、国が農地法を改正した目的について、農家数と耕作放棄地の面積に着目して、簡単に述べる
  • 平成25年度
    問3:国がⅠの基本方針を定めた理由について、ⅡとⅢの資料から読み取れることを、簡単に述べる
  • 平成26年度
    問3:ⅠとⅡの資料から読み取れる、我が国の産業構造の変化について、第三次産業に着目して、簡単に述べる
<出題パターンの分析>

毎年必ず出題されており、都立入試の社会に特有なタイプの問題です。表やグラフ、文章など、複数の資料を同時に読み、問われたことについて記述します。記号ではなく文章を書いて解答する形ですから、苦手意識をもつ受検者も多いでのはないでしょうか。

「記述式の問題や作図の問題では、各学校で部分点を与えるなど採点上の配慮を行っている」(東京都教育委員会「東京都立高校入学者選抜学力検査結果に関する調査」より引用)とあるように、部分点をつけるための採点基準を各高校で設けていると思われます。

<求められている能力>

学校の定期テストではめったに見られないタイプの問題です。ふだん社会が得意でも、この出題形式に慣れていないと戸惑うことは間違いありません。

・設問の指示を漏れなく汲み取る読解力
・複数の資料から情報を読み取り、処理する力
・表やグラフから特徴的な項目や数値の変化を読み取る力
・適切な日本語を用いて表現する記述力
が求められています。

<今後の出題予測>

大問3においての必出パターンなので、今後も毎年出題されると考えて間違いありません。このタイプは大問3だけでなく、大問4、5、6でも出題されているため、多ければ20点分につながります。

【攻略の手引き】

大問3の中でも最も複雑な出題形式です。過去の出題内容からも明らかなように、多くの受検者にとって、ほとんど未知の問題です。ですから、知識が得点に直結することはありません。
逆に言えば、「社会は覚えるのが苦手」という場合でも、得点することが可能です。

それでは、具体的な攻略法をご紹介します。

  • ポイント1:設問文のラスト1文を読み、出題内容を正確に把握する
    この問題で5点満点を取れないのは、「問いに答えていないから」です。そもそも出題内容を正確に理解できていないのです。

    採点して得点化する以上、必ず採点基準があるはずなのです。そして、その採点基準は設問文から読み取ることができます。つまり、設問文をよく読まないということは、そもそも採点基準を無視して書いているということです。

    したがって、設問文をよく読み、「出題者は何を書いて欲しいのか」「何を書けば点をもらえるのか」という“出題の意図”を読み取ること。これが第1歩です。

    さて、このタイプの問題も、設問文が5、6行と非常に長く、読んでも「何が聞かれているの?」と混乱してしまうような構造になっています。そこで、まず最後の1文を読むことから始めましょう。

    過去の出題内容で示したように、設問文は
    ・問われていること
    ・活用する資料
    ・着目すべき点
    という3つのパートで成り立っているのがほとんどです。

    たとえば、平成26年度の問3の最後の1文は「ⅠとⅡの資料から読み取れる、我が国の産業構造の変化について、第三次産業に着目して、簡単に述べよ」とあります。
    ここでは、
    ・問われていること:我が国の産業構造の変化について
    ・活用する資料:ⅠとⅡの資料
    ・着目すべき点:第三次産業
    となります。これらは必ずマルで囲んで見落とすことのないようにしておきましょう。

    ここから、「第三次産業に着目しながらⅠとⅡの資料を読むと、我が国の産業構造がどう変化したかがわかりますよ」という“出題者からのメッセージ”を読み取ることができます。こうした“誘導”に素直に乗っかるのが最も効率的で確実な得点法です。

  • ポイント2:資料の読み取りと分析
    与えられた資料はすべて意味のあるものです。すべてを活用しないと5点はつかないと考えるべきでしょう。「着目すべき点」に注意して、資料の中で解答に関わる箇所をチェックします。数値の変化や大小関係には矢印や不等号を書き込み、目で見てわかるようにします。

  • ポイント3:資料を考察した結果を箇条書きで書く
    ポイント2で分析した結果を、簡単に書いてまとめます。いきなり解答用紙に書くのは、減点される答案の典型的なパターンです。与えられた資料を1つでも無視したら減点されると考え、漏れなく拾うことが大切です。資料が3つあれば、3つのそれぞれからどんなことがわかるかと箇条書きでメモしておきます。こうすることで、漏れなく資料を活用し、減点されない解答を作ることができます。

  • ポイント4:解答を文章でまとめて記述する
    ポイント3で作成した箇条書きのメモを、文章にします。このときに大切なのは、“採点者へのアピール”です。
    「“出題の意図”をきちんと理解し、設問に正確に解答していますよ」ということが採点者に伝わるように書く、ということです。

    ポイント1で取り上げた3つのパートを意識した解答を心がけましょう。解答用紙に書き終えたら、必ず見直しをしましょう。誤字・脱字や漢字の誤りは減点対象ですから、確実に避けるべきですね。

【目安の解答時間】

3分〜4分での解答を心がけましょう。
減点されない解答をするためには、緻密な作業が必要ですから、どうしても時間がかかります。
ポイント1:30秒〜1分
ポイント2:30秒〜1分
ポイント3:1分〜1分30秒
ポイント4:1分〜1分30秒
というのが目安です。
時間をかけてでも、丁寧に取り組んで確実に得点したいところです。

中学1・2年生はどんな勉強をすればいいか?

これから受験に向けての準備を進めて行く中学1・2年生も、今のうちから行える対策があります。

定期テストの点数だけを意識するのではなく、先々を見据えて普段の学校の授業や家庭学習に取り組んでおくのが絶対におすすめです。特に、次のような点を意識しながら、勉強して欲しいと思います。

【自然環境と土地利用に関する問題】

  • 日本地図の知識は必須。地図上で都道府県名が、都道府県名から地図上の位置が、それぞれすぐに言えるようにしておく。余裕があれば県庁所在地も覚えておきたい。
  • 山脈や河川の名称の知識は必須ではないが、主要なものは覚えておいた方が有利なのは間違いない。地図上で日本の各地域の地形の特色を確認する習慣をつけておきたい。大きな地図をトイレなどに貼って、目に触れる機会を増やすとよい。
  • 地形図や等高線の読み取り、縮尺の計算にも慣れておく。特に、地図記号は必ず覚えておきたい。

【産業に関する問題】

  • 日本地図の知識は必須。地図上で都道府県名がすぐに言えるようにしておく。
  • 各都道府県の主な産業(農林水産業、鉱工業)については確実に覚えておきたい。特に、主な農産物の生産量や工業品の出荷額は、上位3位くらいまで覚えておきたい。学校の授業で習った範囲については、ノートや教科書、資料集を元にまとめておくとよい。
  • 日本の地理については2年で学習する中学校が多いが、ベースになる基本事項は小学校で学んでいる。1年生は小学校5年生の教科書で復習をしておきたい。

【資料から考察して論述する問題】

  • 知識量が求められるわけではないため、比較的短期間でも対策が可能。しかし、図や表、グラフを読み取る力は必須。教科書や資料集を素材に、図表、グラフから読み取れる特徴や変化を文章で書いて説明する練習をしておくとよい。
  • 早めに過去問で触れて慣れておくのも有効な勉強法。類題が少ないが、実はこのタイプの問題は公立中高一貫校の適性検査でも問われており、適性検査向けの問題集でも力をつけることができる。

是非、参考にしてみてください。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)