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中学生の英語の苦手克服は「読めない」をなくす

中学生の英語の苦手克服は「読めない」をなくす
「うちの子、小学校では英語は好きだったのに、中学校では嫌いになってしまって…」「小学校から英会話教室に通わせていたのに、英語の成績がちっとも伸びない…」私たちが経営する塾でも、このような我が子の英語の成績に悩む親御さんの声をよく耳にします。実際に塾で生徒たちを見ていても、英語力の低下を感じます。なぜ成績が伸びないのか?その原因と解決策をご紹介したいと思います。
石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)

英語でつまずく原因は、小学校と中学校の連携にあり!?

小学校・中学校教師の英語教育における認識のズレが英語力の低下の一因であると考えられます。
文部科学省の指導要領の改訂により2011年から、小学校では5、6年生で週1時間の外国語学習が行われています。

これは“聞く・話す”を中心に「コミュニケーションの素地を養う」ことが目的です。
ですから、アルファベットの“読み・書き”は小学校で「必ず教えるもの」でも「教えてはいけないもの」でもありません。

この曖昧さが、小学校では「“読み・書き”は中学校で教えるもの」、中学校では「“読み・書き”は小学校で教えているはず」との認識のズレを生みます。

そのズレによって、中学校の授業ではアルファベットの“読み書き”が重視されなくなり、英語を「聞けるけど、読めない」「話せるけど、書けない」という中学生が増えたのです。
そして、基本中の基本が充分に定着しないまま授業が進み、授業についていけなくなるのです。

英語を読むことからやり直す!

英語が苦手なお子さんには、文法から一度離れ、アルファベットの“読み・書き”を徹底的に身に付けさせることが先決です。
特に「読み」が重要です。美しくなくても正しく読めるようにさせましょう。

それは、例えば“apple”をエー・ピー・ピー・エル・イーではなく、アップルと読めることです。

この様に読めることが出来ないお子さんは、apple→リンゴ/リンゴ→appleという結びつけができません。
「読めないから意味がわからない」「読めないからつづりが書けない」ということです。

ここが解決されない限り、何百回単語を書こうとも英語学習は苦しいだけです。

勉強方法はフォニックス!

フォニックスとは、アルファベットの“つづり”と“読み”との間の規則性を意識し正しい読み方を習得するための手法です。

英語のつづりと読みには必ず関連があります。

たとえば、“ice”(アイス)、“nice”(ナイス)、“rice”(ライス)。
ice”は共通して“アイス”と発音していますね。

続いて、“blue”(ブルー)、“clue”(クルー)、“glue”(グルー)。
これも“lue”の部分は“ルー”と読むわけです。

こういう関連性が身に付くと、はじめて目にした単語も自然と読めるようになります。

tree”(ツリー)に“three”(スリー)で “ree”の部分が“リー”。
じゃあ、“free”は“フリー”かな。
…こういう推測がつくようになってきます。

そうすると、“bee”(ビー)、“fee”(フィー)といった単語にまで応用がきいてきます。

こんな風に、読めるようになると、あとは加速度的に伸びていきます。

フォニックスを始めてみる

アルファベットの“つづり”と“読み”との間の規則性、というと難しく聞こえるかもしれませんが、パターンはそう多くはありません。
1回50分で3日間もあれば、一通り身に付けることができるくらいの量です。

フォニックスを学べるCD付きの教材は書店でも入手できますし、インターネットを利用して容易に学習用の素材を見つけることもできます。
親御さんが最適と思うものを与えるのも一つの手ですが、親子で一緒に合うものを探して使うのがより良い学習法です。

こうして下地を養った後に、学校の教科書の音読に進ませてみましょう。

千里の道も一歩から。
英語学習の上で大切な大切な一歩目をより良い形で踏み出せることを願っています。

石井 知哉(いしい ともや)

執筆

石井 知哉(いしい ともや)