部活と勉強の両立法!部活を辞めても成績が伸びない理由
執筆
石井 知哉(いしい ともや)
勉強と部活動を両立するために必要なのは「切り替え」!
「両立」を辞書で調べてみると、「2つの物事を同時に成り立たせること」とあります。ここで、この「同時に」というのは、勉強と部活動を「同じ瞬間に処理をする」ということではありません。
では、どういうことか?
それは、部活動の時間は部活動に全力で取り組み、勉強の時間は勉強に全力で取り組む、ということ。つまり両立に必要なのは、その取り組みをシーンによって切り替えていくことなのです。
明日から使える勉強モードに切り替える2つの作戦
お子さんの重い腰をあげるには、どうやって気持ちを切り替えれば良いのでしょう?2つのちょっとした作戦をご紹介します。
- ポジティブ口ぐせ作戦
人は言葉で物事を考えるので、言葉によって心理状態は大きく左右されます。 たとえば「面倒くさいなあ」「勉強なんか意味ないじゃん」などのネガティブ発言は、例え軽い気持ちで発言していたとしても、自らやる気を削いでいることになるのです。逆も然りで、「よしやるぞ!」「なんか面白そう!」「わくわくする!」などのポジティブ発言は、心をやる気にさせます。
お子さんがネガティブな発言をした際には、「できなかったとこができるようになったら、面白くない?」と伝えてあげてください。ここで大切なのは、親御さん自身の意識や行動です。親御さんのネガティブ発言が多ければ、お子さんも確実にそうなります。意識や行動も“遺伝”します。子は親の背中を見て育つものですから。我が身を振り返って、ネガティブ発言が多いと感じたなら、ご自身がポジティブ発言を増やすことから始めてみてください。
- まずは15分だけ作戦
遠すぎる目標はかえってやる気を奪います。いきなり「1日3時間は勉強しようね」とお子さんと決めても、なかなか3時間も勉強できないもの。「え?うちの子は親が決めたら3時間勉強しますよ」と思われるかもしれません。残念。お子さんは「とりあえず3時間勉強すればいいんだろ」と3時間だけ机に向かいます。勉強したという“アリバイ”を作るのです。そんな3時間ですから、身になっていません。「勉強すること」が目的ではなく、「勉強したふりをして親を満足させること」が目的なのですから。
当然、テストでも良い結果が出ません。すると、「じゃあ1日4時間」と親御さんは更なるノルマを与えます。それで成果が出れば苦労はありませんよね。高すぎる目標を設定すると、最悪の場合、お子さんは「自分で立てた目標が達成できない」と少しずつ自信をなくしてしまいます。そのため、はじめの一歩のハードルは低い方が良いのです。
例えば、「15分だけやってみよう」と声を掛けて、まずは15分間勉強させてください。
その際、時間だけを単位に目標を設定するのはお勧めできません。多くのお子さんが、「ただ机に15分座っていれば親も文句を言わないだろう」という“アリバイ”作りに熱心になるだけです。必ず取り組む内容を決めることをセットにしましょう。計算や漢字の書き取り、英単語の暗記、理科や社会の問題集…、何でも構いません。重要なのは、お子さんが「15分間でこれこれこういうことをできた」と実感することです。「15分で3ページも進んだ」「15分で40問も解けた」「15分で10個も覚えた」など、「たった15分でもこれだけのことができるんだ!」と実感すると、“集中した15分間の重み”が身に染みますし、何より自信につながります。
それが出来れば、「決めたことをやりきった」という達成感でお子さんの自己肯定感が高まり、自信がつきます。そうしたら徐々に、時間を延長させていきましょう。「15分でこれだけのことができるのだから、30分だったらもっとできるな」というワクワク感を抱けるようになれば最高ですね。
子どもに、すこし頑張れば届く、というレベルの目標を立てさせることが重要です。親御さんも一緒になって15分間何かに集中して取り組んでみる、というのも一つの手ですね。漢字検定や英語検定など、親子で共通の目標にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?この2つの作戦で気持ちをパッと切り替え、勉強と部活動の両立を目指しましょう。
これらの他にも、お子さんのために親御さんができるアプローチ方法があります。
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石井 知哉(いしい ともや)