スタディサプリで成績は上がるのか?業界20年のプロがチェックしてみた
でも、親として気になるのは「スタディサプリで成績上がるの?」ということですよね。
今回School Postでは、教育のプロの目から「スタディサプリ」を徹底解剖しました。
スタディサプリって何?
スタディサプリとは、小・中・高校生向けのオンライン学習サービスです。
株式会社リクルートマーケティングパートナーズが提供・運営しています。
パソコンやスマートフォンでインターネットに接続できれば、いつでもどこでも、様々な教科の講義動画を見たり問題集を利用したりできるというものです。
なんと言っても特徴的なのは、月額980円(税抜き)という利用料金。
講義動画をいくら見ても、問題をどれだけダウンロードしても、料金は変わりません。
つまり、「授業受け放題・問題解き放題」なのです。
従来は高校生向けの「受験サプリ」と小・中学生向けの「勉強サプリ」という名称でしたが、「スタディサプリ」に統合され、その中に
- 小学講座
- 中学講座
- 高校講座
- 大学受験講座
という4つの講座が設けられています。
(2016年10月現在)
本記事では、特に「中学講座」を中心に紹介します!
スタディサプリで勉強して成績は上がるのか?
スタディサプリの使い方としては
- 授業動画を見る。
- ドリルで問題を解く。
の2つが基本の流れですが、とりわけ優れているのは、何と言っても豊富な授業動画です。
どの教科も、とてもわかりやすい授業であることは間違いありません。
先生たちの話すスピードやリズムも程良く、板書も見やすいので、ストレスなく授業を受けられます。
中学校の主要5教科の全単元がしっかりとカバーされていますから、
・わからない箇所を理解する。
・学校で習う前に予習をする。
という目的を叶えるには非常に適しています。
ですから、
・学校の授業の進みが早くて理解できない(逆に遅くて物足りない)。
・学校を休みがちで授業についていけない。
といった点でお困りのお子さんにとっては、特に素晴らしいツールだと思います。
また、「通常学習モード」のほかに「定期テストモード」もあって、定期テストの範囲を指定すると「理解度チェックテスト」が出てきます。
これを解くと、自動で答え合わせをした上で、間違えた問題を分析してくれます。
苦手な単元を克服するための授業やドリルも示してくれるので、効率よくテスト対策を行えます。
以上の点からすると、公立中学校の定期テストについては、充分に成果が出ると言えます。
ですから、テストの点数という面では、スタディサプリで成績は上がります。
しかし、ここで忘れてはいけないことを1つ。
内申点(学校の通知表の評定)は定期テストだけで決まるものではありません。
スタディサプリで勉強して定期テストで良い点を取れても、学校の授業態度や提出物がきちんとしていなければ、内申点は上がりません。絶対に。
その意味では、スタディサプリにも限界はあります。
(もちろん、授業態度や提出物取り組みの改善はスタディサプリの守備範囲ではありませんから、スタディサプリに責任はありません)
スタディサプリのメリット、デメリットとは?
それでは、スタディサプリのメリットから、もう少し詳しく見ていきましょう。
【メリット】
- 授業を自分のペースで受けられる
- レベル分けあり
- お金と時間の両方で合理的
- 子どものチャレンジ精神をくすぐるしかけ
- 学習状況が親御さんにもわかる
授業動画は1本当たり約15分です。
短すぎず長過ぎない時間なので、集中を切らさずに受けることができます。
聞き漏らした箇所は巻き戻して聞けますし、一度受けた授業であっても何回だって視聴可能です。
もちろん、わかっている単元はスキップできるので、ペースアップも自由自在です。
「基本レベル」と「応用レベル」に分かれている(国語・数学・英語のみ)ので、簡単なものから難しいものまで、幅広く対応しています。
お子さんのレベルに合わせて選べます。
また、「中学講座」には小学4・5・6年生の内容も入っています。これには思わず拍手を送ってしまいました。
中学校の勉強でつまずくお子さんのほとんどが、小学校内容の理解に抜け漏れがある状態です。
ですから、小学校内容にまで戻って授業を受けられる(しかも追加料金不要で)のは、勉強効率を高める上で、とても素晴らしいことです。
リーズナブルな価格で利用できることは前述の通りですが、時間を有効に活用できるというのも魅力的です。
塾や家庭教師だと毎週決まった曜日の決まった時間の予定を空けておく必要がありますが、スタディサプリには曜日と時間の縛りが一切ありませんから、部活動や習い事で忙しいお子さんにとっては、限られた時間に自宅で勉強できて効率的です。また、塾への行き帰りの時間を節約できるのもありがたいことですね。
連続ログイン日数や様々に課される「学習ミッション」をクリアするとコインがもらえ、貯めたコインで「サプモン」という自分オリジナルのキャラクターを育てられるという遊び心も用意されています。
こうした『ゲーム性』は子どもの勉強意欲をくすぐる上で効果的です。大人からすると「子どもだまし」にも思えますが、結果としてお子さんが勉強に向かうのであれば、それで良しとすべきだと思います。
本人用のページとは別に保護者用のページがあります。
ここでお子さんの「週の授業の視聴時間」や「週のドリルの正答率・実施回数」を見ることができるので、リアルタイムでお子さんの様子を把握することができます。
他方で、デメリットとなる部分もあります。
具体的に見ながら、解消する方法を探ってみましょう。
【デメリット】
- インターネットの誘惑
- 強制力はない
- 問題演習に限りがある
「スタディサプリを使える環境=インターネットに接続できる環境」ですから、インターネットのデメリットがそのまま当てはまります。
「あの子、部屋で勉強しているのね」と思っていたら、ゲームや動画、友達とのおしゃべりに興じていた、なんてこともあり得ます。
親御さんの目の届く位置にあるパソコンを使うのが望ましいかもしれません。
メリット③と裏返しの関係になりますが、「好きな時間に授業を受けられる」ということは「自分から向かう積極性がないといつまでも授業を受けない」ということになりかねません。
この点、塾や家庭教師のように曜日や時間が決まっていれば、たとえ部活動の後で疲れていても、‘授業を受けるモード’に入りやすくなります。また、スタディサプリがいかに一流講師の授業を提供してくれても、動画の中の先生にはお子さんの姿は見えません。お子さんが居眠りをしていてもマンガを読んでいても、注意はしてくれないのです。
もちろん、スタディサプリには学習管理の仕組みも備わっているので、どれだけ勉強したかが保護者にもわかるようになっています。
ただ「授業動画を見たかどうか」「ドリルの問題を解いたかどうか」という結果が出るだけですから、講義を再生しながらゲームをしていても、記録上は授業を受けたことになってしまいます。
以上のような面では、塾や家庭教師の方が先生の目が行き届く分、お子さんへのコントロールは効くことでしょう。やはり、スタディサプリに任せっきりにせず、親御さんもお子さんの様子を見たり声をかけたりする必要がありそうです。
スタディサプリの問題演習は、授業動画で使う「テキスト」と自分で解く「ドリル」がありますが、WEBでの配信ですから、問題の量には限界があります。また、間違えた問題について「なぜ間違えたのか」「どうしてこう考えるのが正しいのか」「そのミスをなくすためにどんな練習をすればいいのか」というフォローはありませんし、先生に質問もできません。
問題の量については問題集を別に購入することで解決はできますが、先生からのアドバイスや質問への回答など「手厚いフォローがどうしても必要だ」というタイプのお子さんにとっては、スタディサプリは物足りなく思うこともあり得ます。
親御さんも一緒に動画授業を受けたり問題を解いたりしながら「お子さんと共に走る」という意識があると解決しやすいかもしれません。
スタディサプリを使って成績が上がる生徒とは
【こんなお子さんにおすすめ!】
自主性と自立心のあるお子さんは、スタディサプリを使って成績が上がるタイプです。
たとえば、
- 勉強に対する意欲がある。
- 自分なりに勉強をする理由を持っている。
- 努力はしているが要領が悪くてテストの結果に反映されない。
- 親や先生が見ていなくても勉強に集中できる。
そんなお子さんには、スタディサプリは「強く頼れる武器」になってくれることしょう。
理解力に不安のあるお子さんも心配ご無用です。
理解できるまで授業を受けられるのがスタディサプリだからです。
前述の「デメリット」についても、自主性と自立心のあるお子さんなら、全く問題になりません。すべて克服していけると断言できます。
【こんなお子さんは使わない方がいい!】
主体性がない・依存心が強いお子さんは、スタディサプリを使っても成績は上がらないタイプです。
たとえば、
- サボりぐせがある、スマホを他の用途に使う、など一人では勉強できない。
- 成績が上がらないことを他人のせいにして自分で努力しようとしない。
- 横に先生がいてくれないと不安で仕方ない。
- いつでも質問したい。
学校の授業を抜け出したり居眠りしたりとまともに受けていない、なんていうのは論外です。スタディサプリの授業もまともに受けられるはずがありませんから。学校や塾・家庭教師の先生による指導に改善を託すしかありません。
無料トライアルで試してみよう
以上、スタディサプリについて検証を進めてきましたが、最後に気になる料金体系について。
「小学講座」「中学講座」→合わせて月額980円(税別)
入会金などの初期費用や年会費などの諸経費は一切かかりません。
当然のことですが、どんな子どもにも合う「万能の学習法」はありません。
また、楽して成績を伸ばす「魔法」も存在しません。しかし、スタディサプリがお子さんの意欲や努力を確実に学力向上に結びつける「優れた道具」であることは間違いありません。
スタディサプリがお子さんに合っているどうか。
スタディサプリがお子さんを伸ばせるかどうか。
ひとえに、それは「お子さん次第」です。
1週間の無料トライアルもあるので、まずはこれで試して見るのが得策でしょう。
親御さんの世代からすると、パソコンやスマホを使って勉強するなんて、考えられないことかもしれません。しかし、時代は確実に変わっています。
スタディサプリのような最先端の技術によって、教育の経済格差・地域格差が解消に向かうことを願ってやみません。
実際の画面はこんな感じ
みんなもぜひ、試してみて!
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