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おおた としまさ氏と受験について徹底議論!

2014.01.16

2児の父親でもあり、教育・育児について多くの著書を持ち、新聞や雑誌にコメント掲載も行う 「おおた としまさ」さんと、株式会社QLEAが経営する個別指導塾を統率する「石井 知哉」。少年時代を中高一貫の男子校で過ごし「教育」を舞台に働くという多くの共通点を持つ二人。おおたさん著の「男子校という選択」に感銘を受けた石井 知哉からの「中学・高校の受験について話がしたい」という熱烈オファーに快く応えていただき、本対談が実現しました。男子校出身の独特のノリで盛り上がり、あっという間に感じられるアツい対談となりました。
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プロフィール

おおた としまさ さん

おおた としまさ (育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー)
麻布中学校・高等学校出身。
育児・教育に関する執筆・講演活動を行う。
主な著書に「中学受験という選択」「間違いだらけの中学受験」等がある。

石井 知哉

石井 知哉 (株式会社QLEA 教育事業部 部長)
世田谷学園中学校・高等学校出身。
塾業界に身を置き17年、株式会社QLEAが経営する個別指導塾を統率。

中学受験の経験者は良い仕事ができる!?

—お二人とも中学受験を経て中高一貫校にて青春時代を過ごされていますが、その経験が「今に活きている」と感じることはどんなことですか?

おおた:

「中学受験」は、科目が専門化する前の小学校の勉強で、高いレベルの頭の使い方をするという経験が良かったなと思っています。今持っている知恵を組み合わせて立ち向かっていく頭の使い方こそが、「生きる力」だと思うんですよ。仕事にルーティンなんて一つもありませんから、そういう頭の使い方の訓練なんだと思います。

石井:

仕事は毎日毎日違うことですもんね。

おおた:

(執筆活動においても)「どうやってこのこと記事にしようか」「どういう切り口がいいのだろうか」ということを毎回毎回カスタマイズします。その中で創意工夫が必要で、それが「生きる力」につながるのではないかと思います。僕は、その根本的な頭の使い方を中学受験の算数から学びました。

今、日経電子版で、「入試問題に学校が込めたメッセージを読み解く」コラムの連載を担当しています。そこで、実際の入試問題をその場で解かしてもらい先生に解説をしてもらいます。昔やっていた勉強ですから、できないとすごく悔しくて(笑)。

石井:

あはは。「(時間制限があるので)待ってくれ、待ってくれ」って感じですか?

おおた:

本当にそうなんですよ。1つ、小問解くだけで1時間かかりましたよ。

石井:

小学生のほうが、頭が柔らかいので「すっ」とできちゃいますよね。

おおた:

そうそう。そういう頭の使い方を、中学受験では鍛えることができました。あとは、目標に対してスモールステップを積み重ねていくということも(学びました)。当時は意識してなかったですが、振り返ってみると、自然にできるようになったきっかけは中学受験。

石井:

「ゴールから遡って考えていく」ということですよね。

おおた:

そうですね。
英語なんかもそうかもしれないですね。もっているボキャブラリーとか文法知識とかは限られていますけど、それを駆使すればなんとか伝えられる。話せるかどうかは、意欲があるかどうか。

石井:

あとは度胸と「創意工夫する力」だけですよね。

おおた:

まさにそういうことだと思いますね。

中高一貫校のアイデンティティ

—「中高一貫校」という視点で見たときのメリットはどうでしょうか?

おおた:

中高一貫校のメリットは、中学校生活の中で目先の1点2点にとらわれないで、自由な勉強ができたこと。もう一つは、中学のうちに存分に原体験をさせてもらったこと。これが僕の土台になっています。

例えば「社会」だと、暗記とか答えがあるものではなくて「これなんだ?」ってディスカッションができたこと。「理科」なら実験。こうした原体験のおかげで、大学受験の時に多少の詰め込み教育や点をとるためのテクニックを乗っけたりできた。

こういう根本的な、ペーパーテストにも表れない学力や土台みたいなものを築くことに時間を使えたのはラッキーでした。 「いろんな実験をさせてもらった」ことが骨身になんとなく残っている。

石井:

それはわかりますね。

おおた:

たとえば時事問題を聞いたときとかも、自分のなかにある情報と照らし合わせてリアクションをするのだと思います。それがその人なりの価値観や教養を表します。それは必ずしも文字にされて脳に蓄えられている知識だけではなくて、やっぱり全身の細胞に刻み込まれた原体験に照らし合わせているのだと思います。その量が「中学校の間にたくさんいろんなことをさせてもらったんだな」とこの歳になってわかってきました。

—そのような影響は勉強以外の面にも表れてくるものですか?

おおた:

今の仕事で教育に込められた思い等を紐解いていくと、僕の振る舞いやリアクションなど自分の性格だと思っていたものが、「中学校の時に与えられたものだ」と感じることがあります。

石井:

うん、「あの先生に言われていたことだ」みたいな(笑)。

僕も驚いたのは、「自分との戦いだ」とか「日頃の当り前のレベルを上げていくことが大事」とか、塾講師として受験前の生徒にお説教めいたことを言うことがあるのですが、言っていることが母校(世田谷学園中学校・高等学校)の校長先生と同じだったんですよ。母校のHPを見ていて気づきました。

対談中の石井
対談中の石井
おおた:

僕もよくそういうことがあります。僕の嫌いな言葉は「ルール」なんですよ。

母校の麻布中学校・高等学校(以下、麻布)では「ルールは必ずしも守らなければいけないものではない」みたいな校風です。 「いつ守るべきものであって、いつあえて無視していいものなのか、そういうことを常に判断しろ」みたいな世界なんですよ。

石井:

そういう建学の精神みたいなものなんですよね?

おおた:

そうそう。中には、判断を誤っちゃう人とかがいるんですけど(笑)。失敗した時は、「僕らは大失敗したよね。じゃあ、どうすんだ?」っていって何度も全校集会を開いて討論会をします。そういうのを教育の機会としてきた歴史の学校なんです。

石井:

(取材などで)いろんな学校を見て、比較すると浮かびあがってきますよね。

—やはり学校から脈々と受け継がれているものは大きいですか?

おおた:

思った以上に大きい!三歳児神話とか言われているけど、思春期神話とかもありそう(笑)。

石井:

そうですね!僕、おおたさんが麻布出身ということを知る前に「男子校という選択」(おおたとしまさ著)を読みましたけど、その本からすごく麻布の魅力が伝わってきました。

校則が「授業中、出前をとってはいけない」「下駄で校内を歩いてはいけない」「賭け麻雀を校内でやってはいけない」のみというフリーさを出しているところから、「あ、おおたさん(麻布が)好きなんだな」と。で、プロフィール見ると、「あ、やっぱりね」と。

自分の通っていた学校を端的に表すと、あの校則に表れますか?

おおた:

そうですね。あれは「それだけルールがないんだ」というネタとして語られていますね。

石井:

うちの学校(世田谷学園)のアイデンティティも、「○○大学合格」とかではありません。登校時、校門にある白線の前に立ったら「今日ここにお世話になります」「己を鍛える場にさせてもらいます」という意味を込めて、学生も先生も校舎に向かって一礼してから中に入ります。で、帰り際も同じように一礼をするんです。

これで文化祭とかの時に、(卒業生などの)学校関係者かどうか、すぐ見分けることができますね。学校関係者は、体が覚えていますから学校に向かって一礼します。

おおた:

へぇー、そうなんですね。

僕は中学受験を「思春期をどう過ごすかを自分で選べること」という表現をしていますが、思った以上に思春期っていうのは価値観がガラッと変わる時期だと思いますね。

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