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島根中央高校のふるさと学

2013.12.11

「ふるさと」のすばらしさ。それに気付ける取り組みが島根中央高等学校で行われている「ふるさと学」。生徒が自ら地域と関わっていくことで、自分たちが地域の人と生活していくことを気づいていきます。学生時代、親や学校の先生以外の大人とは関わりが少ないもの。しかしこの取り組みでは、積極的に関係を築いていきます。そんな「ふるさと学」について、川本町役場で島根中央高等学校の「魅力づくりコーディネーター」を務める石田さんにお話を伺いました。生徒と地域の人との触れ合いだけではなく、世界遺産を守る活動にも注目です。
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生徒の将来のため、地域の人と協力した学びの場

2008年より島根中央高等学校で始まった地域を学習の場とした「ふるさと学」。
「地域を知る」ことを目的としています。以前取り上げた「まちごとキャンパスプロジェクト」の「仕事を知る」活動と合わせて、生徒の将来のため地域の方たちと協力して学びの場を作っています。

これらの授業は、学校が独自に設定した学校設定科目として行われています。 ふるさと学は、2年生時は「地域創造コース」と「現代ビジネスコース」の2コースの生徒、3年生時は「地域創造コース」の生徒が活動します。 「就労体験」や「ふるさと講演」などの講演の他に様々な体験を通して、ふるさとを学んでいきます。

昔はなかった!?卒業生が羨ましがる体験授業

ふるさと学では、11月に地元事業所の協力のもと、2日間の就労体験を行います。 農業の体験学習が中心で、5人1組の班に分かれて実施します。

農業体験をする生徒たち
農業体験をする生徒たち

地域の方からは、「2日間では物足りない、もっと生徒と触れ合いたい」や「川本町の子どもたちにふるさとの事を知ってもらういい機会」と好評だそう。 「協力的な方々が多く、生徒も楽しそうです」と石田さんは声を弾ませます。

生徒たちも「今まで(親や先生以外の)大人と話す機会はあまりなかったけど、ふるさと学を通して話ができてよかった」と満足気な感想。 「体験の中で、事業所の方に(仕事のやり方を)教えていただき、出来ることも増えた」とうれしい報告も。

石田さんも同校の出身ですが、学生時代に話す大人といえば、親か先生だけだったとのこと。 「今の生徒たちはいい経験をしていて、うらやましいです」と石田さん。

世界遺産を守るため、モデル化を目指して行う重労働

「ふるさと」に縁のある授業を数多く行う島根中央高等学校。 その中でも特徴的なものがユネスコスクール学習とのコラボレーションで行われる世界遺産「石見銀山」の保全活動。

石見銀山保全活動は2012年1月に山陰地方で初めてユネスコスクールに認定されたことがきっかけで始まりました。 世界遺産である石見銀山の環境や景観を保全するために地域創造コースの生徒たちが汗を流します。

石田さんは、「これはボランティアとは違い、生徒たちに『自分たちには何ができるのか?』ということを考えてもらいながらやっています」といいます。 先生や地域のNPO法人の方の協力を得ながら、生徒たちが主となり活動方針を定めていきます。

主な活動は、窯屋間歩(かまやまぶ)と呼ばれる坑道の近くでの竹の伐採。 「意外に重労働なんです」としみじみ。 竹は水分を含んでいるため、重いのだそうです。 そのため、4月と11月に分けて活動しており、4月に伐採した竹は11月まで数か所にまとめて置かれます。

まとめられた竹
まとめられた竹

そうすることで竹の水分が抜け、軽くなっています。それを、山から運び下ろしシュレッダーにかけチップにします。

竹を運ぶ女子生徒
竹を運ぶ女子生徒
竹を運ぶ男子生徒
竹を運ぶ男子生徒

まだまだ課題は多いそうで、活動を通して見えてくるものもあります。 たとえば、雑草の除草。半年も経てば元通りになってしまうそうで、これは竹を伐採することにより、日光がよく当たるようになったためだと考えられます。

景観保全のために行った竹の伐採が、雑草の増殖を促す結果となってしまいました。 今後、生徒はこの解決策を考えていかねばなりません。どのような解決策を打ち出すのか、楽しみです。

社会的意義が強い本活動の担当教員は、「この活動は継続していかないといけない。モデル化して仲間を増やしていかないといけない」と決意を強くしているそう。

「世界遺産を守る」。
この大きな意義を、広く知ってもらい、島根中央高等学校を中心に輪が広がっていってほしいものです。

振り返り学習で頭を悩ます。初めての新聞制作

学習は「ただ見て聞いて終わらせる」ではいけません。振り返りが重要です。 「ふるさと学」では、新聞制作を通して振り返り学習を行います。

島根中央高等学校は、NIE(※1)の指定校となっている関係で授業に新聞を取り入れています。 地元紙の元新聞記者の方を招き、新聞制作についての注意点や新聞の構成などを2時間程かけ講義してもらうそう。

受講中の生徒
受講中の生徒

そして、生徒たちは講義のあとに各自で新聞にまとめていきます。 生徒にとって新聞を制作することは初めての出来事。なかなか思うように進まないようです。 「今までの体験をまとめて、組み立てていくことが難しいみたいです」と石田さん。

完成後は学校の昇降口か職員室の前に展示する予定です。

「ふるさと学」で出来ることはまだまだたくさんあります。
もっと、生徒たちにふるさとを学んで、知って、好きになってほしい。
もっと、生徒たちと、地域の人が身近な存在になってほしい。
そんな地元愛が詰まった授業が、島根中央高等学校にあります。

(※1) Newspaper in Educationの略。学校などで新聞を教材として活用する取り組みのこと。 島根中央高等学校は2013年に実践指定校となっています。

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編集後記

「ふるさと」っていい!学校とは地域の中の一部であることが強く感じさせられる取り組みです。取材に応じてくれた役場の方から、「生徒が楽しそうで羨ましい」と羨望の声も。地域を知って、地域と暮らしていく。地方ならではの良さを感じました。

今回取材した学校について

島根中央高等学校

島根県邑智郡川本町にある島根県立の高等学校。学校に寮を併設しており、県外募集を積極的に行っている。生徒の希望進路により、2年生時に4つのコース選択があり、様々な学習ニーズに対応する。中でも「現代ビジネスコース」と「地域創造コース」の2コースは、キャリア教育の一環で地域の方々と触れ合う取り組みが多い。

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